大塚製薬を代表するロングセラー、ポカリスエット。ブルーと白のすっきりしたデザイン、爽やかな口当たり、すばやい体内吸収など、誰からも愛される健康飲料です。水分補給の代名詞といっても過言ではない商品ですが、誕生のきっかけは、じつにひょんな出来事なのでした。
ポカリスエットを発売する数年前、大塚製薬の社員が海外出張中に食あたりを起こしてしまいました。現地で診察を受けたところ、医師は社員に「水分をたくさん摂るように」とアドバイス。ところがその出張先は、ただでさえ飲み物が入手困難な地域。ましてや病気の身体で飲むような吸収のいい飲み物なんて、あるわけもなく・・・。そんな社員の体験が、生理的で身体にやさしい水分補給を考えるきっかけとなったのでした。
さらにその研究を後押ししたのが、大塚製薬が従来手がけていた点滴輸液。輸液は脱水症状などを起こした患者の水分補給に用いられますが、これを長時間の手術でヘトヘトになったときに飲む医師がいたのだそうです。
「それなら点滴輸液を飲料にも応用できるのでは!」という発想が、ポカリスエットの開発を大きく飛躍させたのでした。
研究がスタートしてから、実際に発売されるまで要した期間は、じつに7年。
渇いた喉と身体にはどんな味がおいしく感じられるのかなど、さまざまなテストが行われました。「汗をかいて疲労した身体」の状態を実際に体験すべく、開発者達が試作品を手に山登りをしたことも。完成に至るまでに作った試作品は、なんと1,000点以上にのぼったそうです。
そして1980年、ようやく発売に至ったものの、それからがまたイバラの道でした。というのも、今でこそミネラルウォーターやお茶類が親しまれていますが、当時は甘い飲み物が主流の時代。ポカリスエットも「味が薄い」という意見が多く、なかなか消費者には受け入れられなかったそうです。また、当時は「運動中には水分を摂ってはいけない!」という根性論が根強く信じられていたことも、ポカリスエットの普及をさまたげたようです。
その後、運動生理学の発展とともに、運動時の脱水症状や旅行時の血栓予防などに水分を補給することは常識となってきました。さっぱりした飲み口にも人々の嗜好が追いつくようになり、ポカリスエットは着実にわたしたちの身体に浸透しています。
これからは秋の行楽シーズン。爽やかな陽気についつい忘れがちですが、空気の乾燥にともなって身体も水分を欲しています。スポーツに、旅行に、アクティブなシーンのお供にポカリスエットをお忘れなく!