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現在も刊行されている、日本で最古の漫画雑誌は?
  • A.ちゃお
  • B.りぼん
  • C.なかよし
  • D.花とゆめ

講談社が発行している少女漫画雑誌『なかよし』は、1955年1月に創刊(発売は1954年12月)。『ちゃお』は1977年9月、『りぼん』は1955年8月、『花とゆめ』は1974年5月にそれぞれ創刊されています。

第1弾 秋の夜長はこれで決まり! 犬山紙子さんがテーマ別で厳選 「こんなとき大人が読みたい漫画」9選

「子どものころはよく漫画を読んでいたけれど、社会人になってからは、手に取る機会が減ってしまった……」、という人も多いはず。けれど、「漫画には、大きな力があります」と語るのは、イラストエッセイスト・コラムニストの犬山紙子さん。子どもの頃から漫画好きで、大人になった今も仕事や子育てのすき間時間を活用し、毎日さまざまな作品を楽しんでいるといいます。今回は犬山さんに、3つのテーマに合わせて、大人の女性におすすめしたい漫画を選んでいただきました。

監修犬山 紙子さんイラストエッセイスト、コラムニスト
犬山紙子さん
仙台のファッションカルチャー誌の編集者を経て、上京。女友達の恋愛模様をイラストとエッセイで描き始めたところネット上で話題になり、ブログ本を出版してデビュー。テレビや雑誌、WEBなどで広く活躍。2014年に結婚、2017年に第1子となる女児を出産後は、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「#子どものいのちは子どものもの」を立ち上げ、社会的養護を必要とする子どもたちへのクラウドファンディング「こどもギフト」のメンバーとしても活動中。
  • テーマ1 イライラが止まらないとき、心を穏やかにしてくれる漫画
  • テーマ2 心が弱ったときに、元気をもらえる漫画
  • テーマ3 大人になった今だからこそ、もう一度読み返したい漫画
イライラが止まらないとき、心を穏やかにしてくれる漫画

イライラしたくないのに、ついついしてしまう……。そんな心境に余計な火を注ぎたくはないので(笑)、読むことでちょっとセルフケアができる、そんな作品をピックアップしました。

スキップとローファー

高松美咲『スキップとローファー』/講談社

©高松美咲/講談社

犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

このシーン、
このセリフが好き!

そういうん からかわん友達ができたから いいげん
(単行本3巻)

主人公のみつみが地元に帰ったときのセリフです。「練習にこれから標準語しゃべる」と言っていたみつみが、東京で自分の感情も、友達の感情も大切にし続けた結果、言えた言葉なんです。この友情に涙し、自分も友人に連絡を取ってみようと思えますし、友人とお互いに弱いところも曝け出し合えるような気がする。そんな力のあるセリフだと思います。
大丈夫俱楽部

井上まい『大丈夫俱楽部』
/レベルファイブ(電子書籍)、トゥーヴァージンズ(書籍)

©Mai inoue

ネットで見かけた瞬間、「これは、絶対に面白い!」と直感。主人公は、すぐに“大丈夫”でなくなってしまう女の子。会社で働いているなか、些細なことで削られる、その描写が非常にうまいです。ただ彼女は「こうすれば、自分が大丈夫になること」をいろいろ知っていて、それを実践して“大丈夫”にするんですよね。これまでは「ストレス解消法」と表現していたところを、「大丈夫になる」という切り口で描いているのが素晴らしくて!またバクのような、性別のないキャラクターの癒やし効果も絶大です。自分を大切にするということに立ち返れる作品で、私がイライラしたときや、大丈夫になる方法のひとつが、この『大丈夫俱楽部』を読むことです。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

ブッダ

手塚治虫『ブッダ』/潮出版社

©手塚プロダクション/潮出版社

小学3〜4年生のころ、父を通じて知った作品です。この世には痛みや理不尽があり、死があり、その恐怖をどうやって逃れればよいのかという人間の苦しみの根源に王子シッダールタが悩み、向き合っていきます。手塚先生がブッダの人間性を丁寧に描いておられるからこそ、おこがましいですがブッダに共感できる。そして、現代人には自分の悩みを矮小化し、「なんでもない」と蓋をすることで余計につらくなってしまう傾向があるように思いますが、苦しさやつらさはどんな人にもあるのだと教えてくれている気がします。私自身は、ダメな自分を認めてほしいときや甘えたいときにイライラしがちなのですが、そういう気持ちにとてもマッチする一冊です。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

心が弱ったときに、元気をもらえる漫画

心が弱っているときは、ポジティヴすぎる作品は少ししんどい。なので、傷ついた心にそっと寄り添い、読んでいるうちに心が落ち着いてくるような内容の作品やクスッと思わず笑えるギャグ作品を手に取ることが多いですね。

危険な二人

岡崎京子『危険な二人』/KADOKAWA

©岡崎京子/KADOKAWA

岡崎先生の作品からは、“シスターフッド”を強く受け取っています。『危険な二人』には中3か高1のころに出会い、当時読んだときは流行のカルチャーがたくさん出てくるところや、都会の女の子たちを彷彿させるオシャレな雰囲気に憧れを持ちました。大人になってから読み返すと、女の子の友情が繊細に描かれていることに気づき、自分はそこに強く惹かれていたのだと分かりました。この作品は正反対の性格をした二人の女の子の話なのですが、最終的に二人が出す結論がもう、本当にステキで!私は傷ついたとき、絶対に女友達の存在が必要なのですが、まさにそんな感じで、女の子同士の友情に癒やされる作品です。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

このシーン、
このセリフが好き!

別にいいじゃん 別にパパとママじゃなくても
ママが二人いてもいいじゃん!!

男をめぐり喧嘩していた女子大生二人がこれ以上ないシスターフッドで結ばれるシーンです。家族の形だって、世間が決めた形じゃなくて良い!品行方正とは言い難い二人だけれども、そんな二人の絆が本当に尊いんです。岡崎京子作品は、シスターフッドが至る所に見られ、その姿に元気がもらえます。
女の園の星

和山やま『女の園の星』/祥伝社

私の心がギャグを欲していた時期に、とても話題になっていたことと、周りの漫画好きの友人も読んでいたので、気になって手に取ったのがきっかけです。作品は、女子校教師・星先生と生徒の日常を描いたもの。フィクションの世界で登場する“キラキラ&ファンタジーな女子校生活”ではなく、リアルに近い女子校の姿が描かれているのが魅力です。私自身が女子校出身なので、「そうそう、こういう毎日だった〜!」と共感しかなくて!また女子高校生×先生モノというと、恋愛を軸に描かれがちですが、この作品は恋愛ではなく日常を軸に描いているのもいいですよね!和山先生は、びっくりするぐらい絵がお上手で、美しい絵も私の癒やしポイントです。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

わたしたちは無痛恋愛がしたい〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜

瀧波ユカリ『わたしたちは無痛恋愛がしたい
〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜』/講談社

©瀧波ユカリ/講談社

フェミニズムの教科書のような作品。仕事や子育てをし、女性として生きていくうえで、傷つき、削られてしまう部分がどうしてもあります。この作品のキャラクターたちもジェンダーの部分でさまざまなモヤモヤを抱えており、瀧波先生はそのモヤモヤを的確に言語化してくださるので、読むと気持ちが救われます。作中に登場する“フェミおじさん”もいいキャラで。今までは“女性の敵”として描かれがちだったおじさんという存在が、ジェンダーのことをしっかり学んだ男性として、癒やしの役割を果たしてくれます。新作が出るたび、「わかる!」と共感の投稿がSNSに多く上がるのですが、私的にも毎話、推しポイントがあります。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

大人になった今だからこそ、わかることがある。もう一度読み返したい漫画

子どものころ、「よくわからないけれど、なんだか面白い」と感じた作品を、大人になって改めて読むと、今だからその魅力を言語化できるということがあります。子どものころとは、作品に対して抱く印象が変わるかもしれないけれど、その違和感も含めて、私は受け取りたいなと思うのです。

ぼくの地球を守って

日渡早紀『ぼくの地球を守って』/白泉社

©日渡早紀/白泉社

“ぼくたま”は本当に名作!美しく、突出した才能を持ち、みんなに羨まれるけれど、とてつもない孤独を抱えている木蓮をはじめ、キャラクター全員に血が通っていて、日渡先生のキャラクターへの深い愛情を感じます。また、人が抱える心の傷を描くのが本当にお上手で、作品を読むことで、大人は子どものころに泣いていたり、悲しかったりした気持ちをよしよしできるような、そんなセルフケアに繫がる作品だと思います。悩みを打ち明けられる人が周りにいないときに、本や漫画に救われた人はたくさんいるはず。『BANANA FISH』や“ぼくたま”は、確実に多くの少女を救い、心のよりどころになってきた作品だと思います。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

このシーン、
このセリフが好き!

君が少しずつ不幸から脱していけたら 今度はその時に
褒美のキスを一つずつあげよう
「よくやった」って
私にとっての褒美は その時の君の 笑顔だよ
(文庫本5巻)

戦争孤児だった紫苑に、愛を与えたラズロの言葉。ラズロの接し方は、子育てをする母として、また、かつて子どもだった自分を見つめるときに、どれもこれも宝物のような言葉で満ち溢れていると感じます。戦争孤児であることをからかわれ、その子を殴ってしまった紫苑を、まず抱きしめるラズロを見て、自分もまずは子どもを抱きしめられる親でいたいと思うと同時に、自分自身も抱きしめてあげようとも思えるのです。
愛すべき娘たち

よしながふみ『愛すべき娘たち』/白泉社

©よしながふみ/白泉社

子どものころは、お母さんは“完璧”な存在ですが、大人になり、母親になってみると、母といえども不完全な存在で、一人の人間であることを痛感します。子どものころに親から言われて傷つき、反発したことも、実はその言葉の裏に母なりの価値観や愛情があったのだと思い至る。だからといって、母を許さねばいけないということでもないとも感じます。そういった母と娘の関係や気づきが巧みに描かれていて、すごいなと思わされる作品です。20年前の作品ですが、今の私にこれだけ響くというのは、やはり時代は繰り返す、ということなんだと思います。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

BANANA FISH

吉田秋生『BANANA FISH』/小学館

©吉田秋生/小学館

高校時代に出会い、そのときはアッシュと英二の関係に萌えていました(笑)。でも物語には戦争や麻薬、貧富などの格差、性被害など社会問題が絡んでいて、アッシュたちはまだ子どもなのに、過酷な状況の中で生きていかざるを得ないんですよね。私はこの作品を通じて「子どもは守られるべき存在である」「子どもが、ちゃんと子ども扱いされる社会でなくてはいけない」という価値観を受け取りました。吉田先生は、当時連載中の読み手の少女たちを信頼していたからこそ、この作品を描いたのだと思いますし、この内容を少女に向かって描こうと思われたその気持ちは、愛でしかないと受け止めています。
犬山 紙子さん

犬山 紙子さん

読んでみたい、または読み返したいと思う作品はありましたでしょうか?
最近では電子書籍で読みたいと思ったときに、すぐ漫画が読めるようにもなりました。ぜひ、今夜のお供の参考にしてみてくださいね。

コラボ第2弾では「大人にこそ読んでほしい絵本」を取上げます。お楽しみにお待ちください。

コクリコ

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