大麦に含まれる水溶性食物繊維である
「大麦β(ベータ)-グルカン」が注目されています。
さまざまな機能が科学的に証明されてきたからです。
大麦ってどんなもの?
紀元前6000年ごろから栽培され始め、日本には弥生時代に大陸から伝わったとされています。栄養価が高く、栽培しやすい大麦は江戸時代から明治時代にかけて広く作られ、日本人の食生活に馴染み深い穀物でしたが、現代ではクセのある香りや調理の手間などから消費量は低下しました。しかし最近は、健康志向の高まりや雑穀ブームなどが追い風となって大麦が持つ健康効果にも注目が集まり、再び消費量が増えてきています。
食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれが異なる働きをしています。水溶性食物繊維とは、水に溶けてゲル状になる食物繊維。体内で水分を吸収してゲル状になった水溶性食物繊維は、消化器官の中をゆっくりと移動し、余剰の糖質やコレステロールを包み込むように吸着して体外に排出します。
多くの野菜や穀物に含まれる食物繊維は不溶性食物繊維がほとんどですが、大麦には水溶性食物繊維の「大麦β-グルカン」がたっぷり含まれています。他の食材ではなかなか摂りづらい水溶性食物繊維を、食生活に大麦を取り入れることでしっかり摂取できるようになります。
水溶性食物繊維
水に溶けてゲル状になり、余分な糖質やコレステロールを吸収しにくくします。不溶性食物繊維
多くの野菜や穀物に含まれ、便のかさを増やして腸の動きを良くします。青い部分が大麦β-グルカン。
粒の中までギッシリ!

大麦には食物繊維がたっぷり。玄米の約3.2倍、精白米と比べると約20倍もの食物繊維が含まれています。玄米を精米すると多くの食物繊維が失われますが、大麦は「胚乳」と呼ばれる細胞に食物繊維が多く含まれるので、精麦されても栄養価が損なわれることはありません。
*National Barley Foods Council(全米大麦食品協議会)
食品中に含まれる食物繊維の量(可食部100g当たり)

大麦の
食物繊維は
精白米の
約20倍
食物繊維は
精白米の
約20倍
*日本食品標準成分表2010