Vivooの開発ストーリー
Story
誰もが手軽に、
自分の健康と向き合える未来を
かつて、病院の研究室でインターンとして働いていた若きバイオエンジニア、Miray Tayfunさんは、毎日尿検査に向き合う仕事に抵抗を感じ、別の部署に異動することを願い出ました。そんな彼女が、数年の時を経て再び“尿”というテーマに向き合うことになろうとは、当時は想像もしていなかったでしょう。
きっかけは、牛の乳を検査する仕事に就いたこと。ここで、現在のVivooにも使われているバイオセンサーと出会います。ちょうどその頃、アメリカでは人々が自分の体を科学的に理解し、より良くしようとする「バイオハッキング」が話題に。Mirayさんもその流れに触発され、「自分のカラダの声を、もっと気軽に、もっと確かに聞ける仕組みを作りたい」と強く思うようになります。そして2017年、自身の理想を形にすべくビボセンス社を設立。翌年には、尿検査とスマートフォンを融合させた新しい健康モニタリングサービス「Vivoo」の開発に着手しました。
初期のVivooは、ユーザーが検査紙を撮影し、開発チームがその写真を見てメールで返答するというアナログなものでした。しかしその中に、「誰もが手軽に、自分の健康と向き合える未来」の種がしっかりと蒔かれていたのです。
Mirayさんの開発理念は、「誰もが手軽に届くこと」。高額なウェアラブル端末が主流だった時代に、コーヒー1杯の価格で利用できるサービスを目指しました。また、誰もが手軽に使えることができるように、採尿カップなしでも使えるストリップを開発。日々の暮らしに自然に溶け込むよう、使いやすさや親しみやすいデザインにも細心の工夫が込められました。Vivooという名前も、「in-vivo(生体内)」に由来しながら、“o”を重ねることで幸運を呼び込む願いが込められています。
技術面ではAIの力が欠かせませんでした。スマートフォンのカメラで撮影された微妙な色の変化を正確に読み取るために、数百枚の画像データを使って機械学習を重ね、精度を高めていきました。今では10万人を超えるユーザーからのデータ※が、Vivooをより正確に、よりパーソナライズされた存在へと成長させています。
※米国版Vivoo利用ユーザーのデータ
Mirayさん自身、700回以上も自らのカラダでVivooを試し、家族の中でも特に母親が愛用しているとのこと。閉経後の健康管理に対する意識の高い母の姿は、「自分のカラダの声に耳を傾ける」というVivooの理念を象徴する存在でもあります。
「価値あるあなたのデータをトイレに流さないで。」――Vivooが掲げるこの言葉には、カラダからのサインを見逃さず、健康と丁寧に向き合ってほしいという強い願いが込められています。
いまやVivooは、大塚製薬との連携によって日本でもサービスを展開し、健康な暮らしを支える新たな選択肢となりました。カラダの声に耳を澄ます。それはきっと、よりよく生きるための第一歩。Vivooはこれからも、誰もがその一歩を踏み出せるように、そっと背中を押し続けていきます。
Vivosens Inc.(アプリ開発・ストリップ製造) 創業者CEO
Miray Tayfun(ミライ・タイフン)