料理・レシピ
あさりの旬は年に2回?!
上手な選び方やおすすめの食べ方まで、管理栄養士が解説!
記事更新日:2026年1月13日
みそ汁や酒蒸しなど、さまざまな料理で親しまれているあさり。私たち日本人にとって昔からなじみのある貝ですが、実は旬が2回あることをご存じですか?今回は、これから旬を迎えるあさりに含まれる栄養素や、おすすめの食べ方についてご紹介します。
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あさりとは?主な産地や旬、砂抜き方法について
あさりの主な産地は、北海道や愛知県、福岡県などです。あさりは産卵前に最も身が肥えて、うま味が強くなるといわれています。産卵期を迎えるのは、本州や九州では春と秋の2回、北海道では夏です。
美味しいあさりを選ぶ時は、貝殻の形を見てみましょう。丸みがあるものよりも、平らな形の方が、味が良いとされています。
あさりを美味しく食べるために、基本の砂抜き方法を知っておきましょう。ザル付きのボウルにあさりを入れ、2~3%の食塩水(水500mlに食塩10~15g)に浸けた状態で、3~4時間放置します。食塩水の量は、あさりがひたひたにかぶる程度が目安です。
砂抜きが終わったら、あさりを水でよく洗いましょう。
調理する前に保存する場合は、水気をよくきってから保存用の容器や袋に入れ、冷凍庫で保存しましょう。
あさりに含まれている栄養素と働き
あさりに含まれている栄養素とその働きについてご紹介します。
鉄
あさりには、比較的多くの鉄が含まれています。鉄は、私たちのカラダが酸素を利用するために必要なミネラルの一つです。赤血球の成分として、血液中の酸素を全身に運ぶ役割があります。
鉄には、主に動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と、主に植物性食品に含まれている「非ヘム鉄」があります。最近の研究で、あさりに含まれている鉄は、非ヘム鉄の割合が高いことがわかってきました。
非ヘム鉄はヘム鉄と比べると、吸収率が低い傾向があります。吸収を良くするには、動物性タンパク質やビタミンCと一緒に摂るのがポイントです。
亜鉛
亜鉛が豊富な貝類としてカキが有名ですが、あさりからも摂取できます。
亜鉛には、皮膚や免疫機能を正常に保つ働きがあります。味覚を感じる細胞の生成にも関わっており、食べ物を美味しく味わうために必要な栄養素です。
ビタミンB12
あさりやしじみなどの貝類には、ビタミンB12が比較的多く含まれています。
ビタミンB12は、正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。また、体内のアミノ酸や核酸などの、さまざまな代謝に関わっています。
タウリン
タウリンは、アミノ酸と似た特徴をもっている物質です。動物性食品に含まれており、特にあさりやタコ、イカなどの海産物に豊富であるといわれています。
現在、疲労回復や肝機能改善などの働きについての研究が進められています。2024年に発表された研究では、タウリンの摂取量が多い中高年者ほど、足の筋力が維持されやすい傾向にあると報告されており、注目されている成分です。
あさりの栄養素を活かすおすすめの食べ方や調理法
あさりの栄養素を活かす料理として、おすすめなのはクラムチャウダーです。動物性タンパク質を含む牛乳やビタミンCを含むじゃがいも、にんじんなどが一緒に摂れるため、あさりに含まれている鉄の吸収率アップが期待できます。
春に旬を迎えるブロッコリーや春キャベツ、菜の花などには、ビタミンCが含まれています。あさりと一緒に汁物や酒蒸しにすると、栄養学的な相性が良いだけでなく、季節感も楽しめますよ。
また、あさりには、ビタミンB12や葉酸、ビオチンなどの水溶性の栄養素が含まれています。水に溶け出した栄養素を効率良く摂取するには、汁物がおすすめです。あさりをゆでてから使用する場合は、ゆで汁も捨てずに活用しましょう。
あさりで美味しく栄養補給!春の味覚を食卓に取り入れて
春は、寒暖差による不調が起こりやすい季節です。あさりで美味しく栄養をとり、体調を整えていきましょう。旬を迎えたあさりは、ふっくらとした身と濃厚なうま味が魅力。下処理の方法も、ポイントを押さえれば意外と簡単です。ご紹介した食べ方を参考に、あさりを食卓にぜひ取り入れてみてください。
教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 池野三奈美さん
病院で10年間、外来・入院患者の栄養管理や栄養指導、NST業務に携わる。2021年よりフリーランスの管理栄養士として、特定保健指導やWeb記事の執筆を中心に活動中。糖尿病や腎臓病、高血圧などの疾患に合わせた食事内容、食べ方の提案が得意。食品や栄養に関する記事の執筆経験は100本以上。食についての疑問や悩みを解決するため、正しい情報をわかりやすく発信している。
参考文献
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- 厚生労働省:「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」、厚生労働省(参照:2025年9月16日)
- 農林水産省:「海面漁業生産統計調査(令和6年漁業・養殖業生産統計)」、農林水産省(参照:2025年9月16日)
- 独立行政法人水産総合研究センター:「FRANEWS vol.38 2014.3」、FRANEWS(参照:2025年9月16日)
- 新木更津市漁業協同組合江川支所(旧 江川漁業協同組合):「あさりのミニ知識」、新木更津市漁業協同組合江川支所(旧 江川漁業協同組合)(参照:2025年9月16日)
- Taniguchi, Chad. "Evaluation of Molluscs as Dietary Sources of Iron: Heme and Non-Heme Iron Content of Clams and Oysters Consumed in the Asia-Pacific Region." Master's thesis, University of Hawaii at Manoa, 2015.
- 厚生労働省:「鉄」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(参照:2025年9月16日)
- 中村宜督:「食品でひく機能性成分の事典」、女子栄養大学出版部(2022)
- 小沢 昭夫、青木 滋、鈴木 香都子、杉本 昌明、藤田 孝夫、辻 啓介:「魚介類のタウリン含量」『日本栄養・食糧学会誌』、1984 37巻 6号、p.561-567
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- JAグループ:「ブロッコリー」、JAグループ(参照:2025年9月16日)
- JAグループ:「キャベツ」、JAグループ(参照:2025年9月16日)
- JAグループ:「ナバナ(菜花)」、JAグループ(参照:2025年9月16日)
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