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チンゲン菜の旬は年に2回?
保存方法から栄養素まで、管理栄養士が徹底解説
中華料理と相性抜群のチンゲン菜。実は旬が2回あることをご存知ですか?このコラムでは、チンゲン菜の保存方法や含まれている栄養素について管理栄養士が解説します。栄養素を損なわないおすすめの調理法もまとめましたので、今日の食事作りに役立てていただけたら嬉しいです。
チンゲン菜とは
チンゲン菜は静岡県から栽培がはじまった中国野菜で、現在では茨城県や静岡県を中心に、全国で栽培されています。
旬の時期は秋〜冬と春の2回。秋から冬にかけてのチンゲン菜は生育期間が長く、茎は太くて厚みがあり、葉は枚数が多くなっています。気温が下がるにつれて甘みが増すため、この季節のチンゲン菜が一番美味しいと言われています。
一方、春のチンゲン菜は生育期間が短く、やわらかいのが特徴です。
チンゲン菜は、葉の緑色が濃いもの、茎が肉厚のもの、切り口が変色していないものを選ぶのがポイントです。
冷蔵室で保存する際は、ペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて口を閉じて立てて保存しましょう。
冷凍保存する際は、炒めたり、茹でたりしてから粗熱を取り、ラップで小分けに包み冷凍庫で保存するのがおすすめです。
凍ったままみそ汁の具材に使ったり、冷蔵室で解凍して和え物にしたりと大活躍します。
含まれている栄養素と働き
チンゲン菜に含まれる代表的な栄養素を3つご紹介します。
β-カロテン
チンゲン菜100gに含まれるβ-カロテン当量は、2000μg。緑黄色野菜は可食部100gあたりのβ-カロテン当量が600μg以上と定義されていて、チンゲン菜も該当します。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、抗酸化作用のほか、皮膚や粘膜の健康維持にも働きます。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や筋肉のもととなるタンパク質、コラーゲンの生成に関わっています。
それ以外にも抗酸化作用や鉄の吸収促進など、さまざまな働きをしています。
体内で合成できないビタミンなので、食事から意識して摂取しましょう。
チンゲン菜100gで、一日に必要なビタミンCのうち約1/4量※を補えます。
※15歳以上の男女における推奨量(「日本人の食事摂取基準2025年版」策定検討会報告書より)
カルシウム
乳製品や小魚に多く含まれるイメージの強いカルシウムですが、チンゲン菜にも含まれています。
カルシウムは、丈夫な骨や歯を作るのに重要なミネラルで、ほかにも筋肉の収縮や血液の凝固にも関わりがあります。
乳製品や小魚に比べて、野菜に含まれるカルシウムの吸収率は高くありませんが、ビタミン類も一緒に摂ることができ、日々の食事に取り入れやすいのがポイントです。
アリルイソチオシアネート
わさびなどに含まれるアリルイソチオシアネートは、チンゲン菜のほかキャベツなどアブラナ科の野菜に多く含まれる成分です。
抗酸化作用や抗菌作用などがあるといわれており、近年研究が進められている成分の一つです。
おすすめの食べ方、調理法
チンゲン菜は茎と葉の部分で火の通り具合が異なるため、あらかじめ分けて調理するのがよいでしょう。
茎の部分は薄くそぐように切ることで、食感を残しつつ火の通りが早くなります。
先に茎を加熱して、最後に葉の部分を加えてさっと火を通しましょう。
チンゲン菜には、あぶらと相性のいい脂溶性ビタミンが多く含まれています。
油で炒めたり、マヨネーズやオイルで和えたりすることで吸収率がアップします。
茹でる際は、沸騰したお湯に塩と少量の油を入れて茹でるのもいいでしょう。
熱を加える際は手早く調理することで、加熱で失われやすいビタミンCなどの栄養素の損失も最小限に抑えられます。
まとめ
今回ご紹介したチンゲン菜のほかに、小松菜やほうれん草などもこれからの時期に旬を迎えます。
葉物野菜は火を通すことでかさが減って食べやすくなるので、効率よく栄養素を取り入れる食品としてぴったり。
旬の野菜をおいしく食べて、日々の健康づくりに役立ててください。
教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 矢崎海里さん
企業の管理栄養士として働く傍ら、栄養に関するコラムやレシピ開発を行う。調理責任者の経験を生かし、栄養価の高い旬の食材を取り入れ、おいしく食べて健康になれるごはんを日々研究中。趣味は街歩きと道の駅めぐり。
参考文献
- 独立行政法人農畜産業振興機構:「ちんげんさいの需給動向」(参照:2025年5月24日)
- e-Stat:「作物統計調査 / 作況調査(野菜) 確報 令和4年産野菜生産出荷統計」 独立行政法人統計センター(照:2025年7月7日)
- 徳江千代子:「もっとおいしく、なが~く安心 食品の保存テク」 朝日新聞出版(2016)
- 文部科学省:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)チンゲンサイ(葉・生)」(参照:2025年5月24日)
- 厚生労働省:「『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』の取扱いについて」 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の取扱いについて(◆令和03年08月04日健健発第804001号) (参照:2025年5月24日)
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「ビタミンC」、「健康食品」の安全性・有効性情報(参照:2025年5月24日)
- 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」(参照:2025年5月24日)
- 厚生労働省:「カルシウム」、e-ヘルスネット(参照:2025年5月24日)
- 農林水産省:「大切な栄養素カルシウム」、みんなの食育(参照:2025年5月24日)
- 日本食品分析センター:「植物の辛み成分について」(参照:2025年5月24日)
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