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抗酸化物質とは?管理栄養士が選ぶ、
秋冬のおすすめ食材(にんじん・かぼちゃ)もご紹介!

記事更新日:2025年11月25日

抗酸化物質とは?管理栄養士が選ぶ、秋冬のおすすめ食材(にんじん・かぼちゃ)

「抗酸化物質」という言葉を耳にしたことはありますか?美容や健康に良いイメージはあるものの、その働きや、どのような食材に含まれているのかをご存知でしょうか。このコラムでは、抗酸化物質について解説するとともに、秋から冬に摂りたいおすすめの食材をご紹介します。

抗酸化物質とは?

抗酸化物質とは、活性酸素の働きを抑える作用をもつ物質の総称です。活性酸素は、紫外線やストレスなどの影響によって体内に増えすぎると、体の老化や免疫力の低下などを引き起こすといわれています。

食品から摂取できる主な抗酸化物質は、抗酸化ビタミンといわれるビタミンAやビタミンC、ビタミンE、野菜や果物がもつ色素成分であるカロテノイドなどです。また、ポリフェノールにも抗酸化作用があり、野菜や果物、お茶、チョコレートなどのさまざまな食品に含まれています。

今回は、秋・冬に旬であり、カロテノイドを多く含んでいるにんじんとかぼちゃをご紹介します。

にんじんの基本情報

にんじん

にんじんは、9月頃から出荷量が増え始め、10〜12月に最盛期を迎えます。秋から冬に流通するにんじんの主な産地は、北海道や青森県です。

新鮮なにんじんを選ぶ時は、表面に割れがなく、なめらかでツヤがあるかをチェックしてみてください。茎の切り口が細いと、やわらかくて味が良いとされています。保存する際は、ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に立てておきましょう。

にんじんに含まれる栄養素と効能

にんじんに含まれる栄養素とその働きをご紹介します。

α-カロテン、β-カロテン

α-カロテンとβ-カロテンは、カロテノイドの仲間です。抗酸化作用があり、酸化によるさまざまな不調からカラダを守っていると考えられています。また、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。

カリウム

カリウムは、体内のpHの維持や筋肉の収縮に関わるミネラルです。摂りすぎた塩分の排泄を促し、血圧の安定やむくみの対策などに役立つといわれています。

不溶性食物繊維

にんじんは、水に溶けにくい不溶性食物繊維が豊富です。不溶性食物繊維は、便の量を増やすとともに、腸内環境を改善し、すっきりとしたお通じをサポートしてくれます。

にんじんのおすすめの食べ方と調理法

【おすすめの食べ方】にんじんの炒め物

にんじんのβ-カロテンは、皮のすぐ下に多く含まれているため、皮をむかずに食べる方が多く摂取できます。一般的に流通しているにんじんは、収穫後に洗浄されて薄皮がむけた状態なので、皮をむく必要はありません。

また、αもしくはβ-カロテンは油と一緒に摂ると、吸収されやすくなります。炒め物や揚げ物にしたり、油を含むドレッシングやマヨネーズと合わせるのがおすすめです。

かぼちゃの基本情報

かぼちゃ

国内産のかぼちゃは、産地によって収穫時期が異なるため、一年を通して手に入ります。最も多く流通するのは、9〜11月です。主に北海道や鹿児島県、長野県で栽培されています。

かぼちゃを選ぶ時は、ヘタの状態を見てみましょう。ヘタが乾いてコルク状になっているのが、完熟しているサインです。保存する際は、丸のままの状態であれば、冷暗所で1〜2か月もちます。カットしたものは、種の部分を取り除き、ラップをして野菜室で保存しましょう。

かぼちゃに含まれる栄養素と効能

かぼちゃに含まれる栄養素とその働きをご紹介します。

β-カロテン

かぼちゃには、ビタミンA(β-カロテン)やビタミンC、ビタミンEが含まれており、抗酸化ビタミンを効率良く摂りたい時にぴったりです。かぼちゃのβ-カロテンは、果肉の部分よりも皮の部分に多く含まれています。

ビタミンE

かぼちゃには、ビタミンEが豊富です。細胞膜の酸化を防ぎ、肌や粘膜、血管などの健康を保つ働きがあります。ビタミンEとビタミンCには相互作用があり、一緒に摂取するとビタミンEの抗酸化作用が持続すると報告されています。

種に含まれる不飽和脂肪酸

かぼちゃの種には、不飽和脂肪酸という質の良い油が含まれています。特に多いのは、「オレイン酸」と「リノール酸」です。

オレイン酸は、摂取しても体内で酸化を起こしにくいと考えられています。リノール酸は、人の体内で合成できない「必須脂肪酸」の一つです。心臓や血管の健康を保つ働きが期待されており、研究が進められています。

かぼちゃのおすすめの食べ方や調理法

【おすすめの食べ方】かぼちゃのグラタン

かぼちゃの皮にはβ-カロテンが豊富なので、できるだけむかずに食べるのがおすすめです。

相性の良い食材は、乳製品です。牛乳やチーズには脂質が含まれているので、かぼちゃのβ-カロテンやビタミンEの吸収率アップが期待できます。グラタンやシチュー、チーズ焼きなどが、これからの寒い季節にぴったりです。

種は周りに付いているワタを取り除き、フライパンで乾煎りすると食べられます。脂質が多く、エネルギー量が高めなので、食べすぎには注意しましょう。

旬のにんじんとかぼちゃで冬支度。寒さに負けないカラダに

11月はぐっと気温が下がり、体の冷えや肌の乾燥が気になる季節です。にんじんやかぼちゃには、寒さによる不調からカラダを守ってくれる栄養素が多く含まれています。ぜひ、にんじんやかぼちゃの料理を取り入れて、寒い季節を元気に過ごしましょう。

教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 池野三奈美さん

病院で10年間、外来・入院患者の栄養管理や栄養指導、NST業務に携わる。2021年よりフリーランスの管理栄養士として、特定保健指導やWeb記事の執筆を中心に活動中。糖尿病や腎臓病、高血圧などの疾患に合わせた食事内容、食べ方の提案が得意。食品や栄養に関する記事の執筆経験は100本以上。食についての疑問や悩みを解決するため、正しい情報をわかりやすく発信している。

Eatreat管理栄養士 池野三奈美さん

参考文献

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  • 厚生労働省:「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」、厚生労働省(参照:2025年7月5日)
  • 厚生労働省:「抗酸化物質」、「統合医療」に係る情報発信等推進事業、厚生労働省eJIM(参照:2025年12月1日)
  • 独立行政法人農畜産業振興機構:「野菜・果物に多い天然色素(カロテノイド)は 飲酒と喫煙の毒消しに役立つか?!」(参照:2025年7月5日)
  • 中村宜督:ポリフェノールの機能性の分子メカニズム、日本食生活学会誌、2022、33巻、4号、p.165-169.
  • 農林水産省:「青果物卸売市場調査(旬別卸売数量・価格動向)(東京都・にんじん)」(参照:2025年7月5日)
  • 農林水産省:「令和6年産指定野菜(春野菜、夏秋野菜等)の作付面積、収穫量及び出荷量(秋にんじん)」(参照:2025年7月5日)
  • JAグループ:「ニンジン」(参照:2025年7月5日)
  • 厚生労働省:「ナトリウム」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(参照:2025年7月5日)
  • 厚生労働省:「食物繊維の必要性と健康」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(参照:2025年7月5日)
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  • 環境省:「にんじんの皮ってむくべき?」、ecojin(参照:2025年7月5日)
  • 独立行政法人農畜産業振興機構:「入荷量・単価 (旬別・産地別)全市場計 2024年 かぼちゃ」(参照:2025年7月5日)
  • JAグループ:「西洋カボチャ」(参照:2025年7月5日)
  • 独立行政法人農畜産業振興機構:「四季の野菜の健康と栄養|野菜情報 2021年10月号」(参照:2025年7月5日)
  • 田中 恭子, 橋本 朋子, 得丸 定子, 井口 弘, 小城 勝相, ビタミンCとビタミンEの相互作用は遺伝的にビタミンCを合成できないラットの組織で観察できる,ビタミン,1998,72巻,9号, p.443-444
  • 一般社団法人 日本植物油協会:「植物油と栄養」(参照:2025年7月5日)
  • JAグループ:「種のおやつ」(参照:2025年7月5日)
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