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塩分はカラダに必要な栄養素
“適塩生活”で賢く バランスよく摂取しよう

国民の20歳以上のおよそ2人に1人は高血圧※とも言われ、塩分の摂り過ぎが問題とされている日本人の食生活。
減塩が必須と思いがちですが、実は塩は健康的にカラダを維持するために不可欠なミネラルが多く含まれています。
塩は“悪者”ではなく、上手に付き合っていくことが食生活では重要。
賢く摂りつつ健康的な食生活を目指しましょう。

1日の食塩摂取量の目安知っていますか?

「日本人は塩分を摂り過ぎ」と、よく耳にしますが、では皆さんは、ご自身が毎日どのくらいの塩分を摂取しているか知っていますか?
令和4年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、20歳以上の食塩摂取量の平均値は男性が10.4g、女性は9.0g。その中でも、70歳以上は男性10.9g、女性は9.4gというように高齢になるほど食塩摂取量は高めとなっています。
これに対して、同じく厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食塩摂取の目標量は成人1人1日あたりで男性7.5g未満、女性6.5g未満というガイドラインが設定されています。
食塩摂取基準量は、年々少しずつ減少する傾向にありますが、健康を維持するための目標値と実際の摂取量では統計上約3gの差があります。高血圧症や腎臓病などの生活習慣病のリスクを軽減するためにも、塩分の摂り過ぎには注意するべきでしょう。

カラダに欠かせないミネラルを含む塩

塩には種類があり、なかでも天然塩は主成分である塩化ナトリウムの他、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれており、カラダには必要不可欠な食品で“悪者”ではありません。極端な減塩は、ミネラル不足で代謝が悪くなる可能性もあります。
また、食材そのものの旨みや甘みを引き出したり、料理の味に奥行きを出したりといったおいしさの底上げ効果もあります。塩の働きを味方につけて、食事をおいしくいただくための上手な“適塩”生活を心がけましょう。

いつもの食生活から塩分量を見直してみよう

塩分と上手に付き合っていくためには、少し手間がかかるかもしれませんが、まずはご自身が日頃どのくらい塩分を摂取しているのかを把握することをオススメします。
例えば、前述の「国民健康・栄養調査」で高齢者の食塩摂取量が高めなのは、味噌汁、焼き魚、漬物といった、いわゆる和食の定番をよく食べていることも理由の一つ。食塩摂取量は単純に塩だけではなく、調味料に含まれる塩分や食材そのものに含まれる“隠れ塩分”が盲点になることがあるからです。
自身の食事の傾向を見直して「日頃、塩分をどのくらい摂っているのか」「どういう食事で塩分が多くなりがちか」などを知っておくと、無理な減塩ではなく効率的な塩分コントロールにつなげることができます。

“摂り過ぎ”を防いで、おいしく、満足度の高い“適塩生活”を目指しましょう

「塩」は、調味料にも含まれています。調味料の使い方、量なども意識しながら、適塩生活を送るためのポイントをご紹介します。

POINT.1 天然塩を選びましょう

「塩」は、大きく分けて天然塩(自然塩)、再生加工塩、精製塩(食塩)の3種類があります。その中でオススメしたいのは、天然塩。塩田での天日乾燥や、平釜で煮るなどの方法で作られ、塩化ナトリウムの割合が低めでマグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルが多く含まれているのが特徴です。まろやかで、ほのかに甘みも感じる塩は素材の味わいを引き立てます。塩の種類は、食品表示をチェックしましょう。

◎天然塩(自然塩)

海塩、岩塩、湖塩、藻塩
海水を原料として、天日で乾燥させたり釜で煮詰めたりするなど、昔ながらの製法で作られた塩。
【食品表示】
原料に天日塩、海水、製造方法に天日、平窯など記載されていれば「天然塩」です。

◎精製塩(食塩)

海水から電気分解でナトリウムイオンを取り出して濃い塩水を作り、煮詰めて塩の結晶を作った塩。
【食品表示】
原材料に「酸化マグネシウム」などの添加物の記載、「イオン膜」「逆浸透膜」「立釜」など工程を記載、原料に「塩化ナトリウム99%以上」とあれば「精製塩」です。

POINT.2 調味料は「かける」から、その都度「つける」

醤油、ソース、マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料を、いつも食卓に出していませんか?料理を食べる前に醤油やソースなどかけてしまうことを習慣化している人が多いですが、まず料理を“そのまま”食べてみて、素材そのものの味を楽しむ。それから、別皿に出した調味料をその都度つけて食べる習慣をつけるとよいでしょう。

POINT.3 調味料の目分量使いはNG!

日頃、慣れている料理を作る時など、調味料は目分量にしがちです。これが、塩分過多の原因になります。面倒でも、調味料はその都度“計って入れる”ことを習慣にすると、自然に適塩がキープできるようになります。

POINT.4 酸味、スパイス、薬味で素材を生かす

レモン、お酢などの酸味、胡椒や唐辛子などのスパイス類、ハーブや香味野菜などの薬味類は、素材本来の風味を引き立ててくれるため、料理の満足度が高くなります。薬味の中で注意したいのは、市販のおろししょうが、おろしにんにくなど。これらは、塩分が含まれているため使う場合は、分量に注意しましょう。

塩分を上手に取り入れながら健康的な食生活を送るコツは、食材そのものの味を楽しめる食べ方を心がけること。調味料の使い方を変えたり、天然の素材や旬のものを食べるようにするだけでも適塩生活は可能です。また、塩分を摂り過ぎたら次の食事で調整するのも長く続けるコツです。楽しく、おいしい適塩生活を目指しましょう。

教えてくれたのは:管理栄養士 岡田 明子さん

管理栄養士、一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)代表理事、
ウェルネスライフコーチ協会代表
健康や美容関連のレシピ提供や商品開発、講演や執筆などヘルスケア分野を中心に活躍中。個人への食事サポートでは、各々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評がある。また、全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとしてウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。著書に『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)などがある。

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