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甘柿と渋柿の違いは?!
美味しい柿の選び方や調理法など管理栄養士が解説!

食欲の秋を代表する果物のひとつ、柿。
「古事記」にも登場し、奈良時代から食用として親しまれている果物で、近年は手軽に食べられる種なし柿も多く流通しています。
柿は栄養価が高い果物で、古くから「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど。
このコラムでは、柿の品種や含まれる栄養素、おいしい食べ方などをご紹介します。

日本で食べられている柿の種類

柿は寒さに弱く、本州の温かい地域や四国、九州などで栽培されています。
和歌山県、奈良県、福岡県、岐阜県が主な産地で、この4県で全国の収穫量の約半分を占めています。

柿は大きく「甘柿」と「渋柿」に分けられます。それぞれの特徴と代表的な品種は下記のとおりです。

甘柿

特徴:収穫時に渋みのもとであるタンニンが水溶性から不溶性に変わることで渋みがないもの。そのまま食べられる。
品種:甘みの強くしっかりとした歯ごたえの「次郎」や、果肉が柔らかくて果汁の多い「富有」など数百種ある

渋柿

特徴:成熟してもタンニンが水溶性のまま残るため渋みがある。アルコールや炭酸ガスで渋抜きをして食べたり、干し柿に加工されたりすることが多い
品種:果汁が豊富な「刀根早生」や、縦長の丸みのある形が特徴的「西条」などの品種がある

選び方と保存方法

実にハリ、ツヤがあり、ヘタと果実の間に隙間がないものを選びましょう。
かためのものを購入し、好みのかたさになるまで常温で数日置いておくのもおすすめです。
それ以外は乾燥しないようポリ袋に入れて口を閉じ、野菜室で保存します。
食べきれない場合は冷凍保存もおすすめです。
皮をむいて食べやすい大きさに切り、小分けにラップで包んでチャック付き保存袋に入れ、冷凍室で保存します。
凍ったまま食べると、シャーベットのような食感が楽しめます。

含まれている栄養素と働き

柿に含まれる代表的な栄養素を3つご紹介します。

ビタミンC

柿にはビタミンCが多く含まれていて、柿1個(200g)で一日に必要なビタミンCを補えます。
渋を抜いた渋抜き柿より、甘柿のほうが多く含まれています。
水に溶けやすく、体内で作れないため、食事から摂取することが必要な栄養素です。
ビタミンCは血管や皮膚の健康維持や鉄の吸収促進、抗ストレス作用などの働きがあります。
※15歳以上の男女における推奨量(「日本人の食事摂取基準2025年版」策定検討会報告書より)

β-カロテン

柿のオレンジ色は、β-カロテンという色素成分によるものです。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換される成分で、緑黄色野菜などにも多く含まれています。
皮膚や粘膜の健康維持や、免疫機能を正常に保つ働きなど、さまざまな機能を担っているビタミンです。

タンニン

柿の渋み成分は、水溶性のタンニンによるもので、タンニンが口の中で溶けることで渋みを感じます。渋柿を甘くするための「渋抜き」は、この水溶性のタンニンを不溶性に変化させる処理のことです。

タンニンは緑茶やたけのこにも含まれていて、抗酸化作用や抗菌作用があることで知られています。

おすすめの食べ方や調理法、加工品など

柿に含まれるビタミンCは加熱で失われやすいため、生で食べることで効率よく補えます。
そのまま食べるのはもちろん、細く切って大根や人参と合わせたなますや、白和えなども加熱せずに作れるおかずにもなります。
完熟したやわらかい柿は、柿の半量の牛乳と一緒にミキサーにかけて冷蔵庫でしっかり冷やせば、とろっとしたプリンに。
熟れた柿の甘みで、砂糖を使わずヘルシーなおやつが完成します。
柿に含まれる食物繊維のペクチンの作用で固まり、ゼラチンや卵も使わず簡単に作れますよ。

また、柿の加工品は干し柿が有名です。
しっかり水分を抜き、褐色の見た目と濃い甘みが特徴の干し柿のほか、半乾燥で水分量が多く、オレンジの柿の色が特徴のあんぽ柿があります。
選ぶ際は砂糖の添加されていないものを選ぶようにし、食べ過ぎには注意しましょう。

まとめ

秋が近づくとスーパーに並ぶ柿は、手軽に取り入れられる栄養価の高い果物としておすすめです。
お店によっては、数種類の柿が並ぶところもあるようです。
いくつか購入して食べ比べ、かたさや甘みなど、好みの品種を見つけてみてはいかがですか。

教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 矢崎海里さん

資格:管理栄養士、調理師、フードコーディネーター

企業の管理栄養士として働く傍ら、栄養に関するコラムやレシピ開発を行う。調理責任者の経験を活かし、栄養価の高い旬の食材を取り入れ、おいしく食べて健康になれるごはんを日々研究中。趣味は街歩きと道の駅めぐり。

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