ホルモンは体内で分泌される物質で様々な器官や組織をコントロールしています。その中で、女性特有のカラダつきやカラダのリズムに大きな影響を与えるのが「女性ホルモン」です。
この女性ホルモンは卵巣から分泌されるホルモンで、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があるのをご存知でしょうか?
女性らしさに関わる
卵胞ホルモン:エストロゲン
代表的な女性ホルモンであり、女性らしいカラダをつくるのがエストロゲンです。
肌や髪の潤いを守ったり、女性特有の丸みを帯びたカラダをつくったり、女性のカラダ全体の健康を支える役割も果たします。また、脳や自律神経にも働きかけるため女性の心身に大きく影響するのが特徴です。
妊娠をつかさどる
黄体ホルモン:プロゲステロン
プロゲステロンは受精卵の着床のために子宮内膜を整えたり、基礎体温を上昇させたりする働きがあるなど、妊娠維持に活躍します。
体内に水分を保つ作用もあり、生理前に体に変化が現れるのは、プロゲステロンの働きと言われています。
この2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」は、月経と連動し、 一定の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変化させます。
まず生理後はエストロゲンが一気に増加。ピークを迎えた後、減少しつつある時に排卵が起こります。
一方、排卵前から少しずつ増加していたプロゲステロンは、排卵後エストロゲンと共にさらに増加しますが、生理前にはその両方が減少します。この周期は約28日というスパンで発生しますが、女性の心身の変化は、この「エストゲン」と「プロゲステロン」の分泌量バランスが変化したときに現れます。
2つの女性ホルモンの中で、特に“女性らしさ”に関連するのが「エストロゲン」。
女性が一生のうちに分泌する女性ホルモンの量は、ティースプーン1杯ほど。
そのわずかな量に、女性の美と健康が関与しているのです。
そして結論として言ってしまえば、この女性ホルモンを増やすことはできません。
なぜなら、その分泌量は年齢と共に大きく変化し、そのピークは20代後半から30代前半。
30代後半になるとその分泌量は徐々に低下をはじめ、その後は減少を続けるのみ。
卵巣の中の卵胞が減り、特に閉経前後の45〜55歳には激減していきます。
「イライラ」「不安感」「急な汗」など女性特有の“ゆらぎ”が起こるのはこの頃です。
さらにこの年代は生活環境的にも家庭や仕事で、疲れやストレスがたまりやすく、若い頃のようにムリが効きにくくなるためホルモンバランスが乱れがちです。
逆に言えば、この女性ホルモンの減少に対しての対策をしっかりすることが、“ゆらぎ”の緩和にもつながるのです。
女性ホルモンの分泌量は年齢と共に減り、50代後半になると、卵巣はわずかな女性ホルモンしか分泌しません。何らかのタイミングで女性ホルモンが増えることもなく、女性ホルモンは年齢と共に減少を続けるのみです。
一方、この女性ホルモンの減少に対しての様々な対策は可能です。重要なのは、女性ホルモンを増やすという考えではなく、「女性ホルモンをコントロールする」「女性ホルモンを補う」という考え方を持つこと。
実際に、女性ホルモンを補うという観点で、“女性ホルモン補充療法”や“女性ホルモンに似た働きをする成分を摂取する”といった方法もあります。
加えてここでは、自分で手軽にできる対策をご紹介します。