栄養・食生活
骨の健康にかかわるミネラル:カラダを支え動かすための重要な役割
記事更新日:2026年8月4日
骨はカラダを支えるほか、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを貯蔵し、体内のミネラルバランスを維持する役割を担っています。骨の健康にはカルシウムだけでなく、実はマグネシウムやリン、さらにビタミンDやタンパク質など、さまざまな栄養素が関わっています。
このコラムでは管理栄養士の視点から、ミネラルの働きや毎日の食生活で意識したいポイントをわかりやすくご紹介します。
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骨の健康にかかわるミネラルの役割
骨は、古い骨を分解する「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」を繰り返しながら、日々生まれ変わっています。このバランスが保たれることで、骨密度が維持され、カラダを支える丈夫な骨が形成されます。
また、骨は体内のミネラルを蓄える貯蔵庫としての役割もあり、血液中のミネラルが足りなくなると骨からとり出されて利用されます。そのため、ミネラル不足の状態が続くと、骨密度の維持に影響する可能性があります。
さらに、カルシウムの吸収率は成人で25〜30%程度とされ、食事内容や年齢などの影響を受けやすいという特徴があります。骨の健康を保つためには、必要なミネラルをしっかりとることに加え、その吸収を助ける生活習慣を心がけることが大切です。
骨を支えるミネラルの種類と役割
骨を支える主なミネラルは、カルシウム、マグネシウム、リンの3つです。これらはそれぞれ異なる働きをもちながら、お互いに連携して丈夫な骨を維持しています。
カルシウム

カルシウムは、骨や歯の主な材料となるミネラルです。筋肉の動きや神経の伝達にも関わっています。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品、小松菜や水菜などの野菜、しらすなどの小魚、大豆製品など、身近な食品に幅広く含まれています。
マグネシウム
マグネシウムは骨や歯を構成するほか、体内の代謝をサポートし、筋肉の収縮や神経の伝達に関与しています。
穀類や豆類、ナッツ類、野菜、海藻などに含まれており、さまざまな食品を組み合わせることで無理なく摂取しやすい栄養素です。
リン
リンは骨や歯を構成するミネラルの一つです。また、細胞内でのエネルギー代謝や体内のpHバランスを維持する役割を担っています。肉や魚、卵、乳製品などに幅広く含まれています。
骨の健康にかかわるのはミネラルだけじゃない:
ビタミンDとタンパク質の役割
骨の健康を維持するには、ミネラルだけでなくビタミンDやタンパク質も欠かせない存在です。
ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、魚やきのこ、卵などに含まれています。また、食事からだけでなく、紫外線を適度に浴びることで皮膚でも作られます。
タンパク質は、骨を構成するコラーゲンの材料となります。肉や魚、卵、大豆製品などに含まれています。これらを日々の食事でバランスよくとることを意識しましょう。
ミネラルが摂取できるおすすめレシピ
おいしくミネラルを補えるレシピを2つご紹介します。どちらも手軽で、毎日の食事にとり入れやすいメニューです。骨を丈夫に保つための食生活に、ぜひ役立ててください。
納豆と小松菜の和風パスタ

納豆と小松菜で美味しくカルシウムを摂取できる和風パスタです。カルシウムは骨や歯の健康をサポートするので、幅広い年代に必要な栄養素です。めんつゆで簡単に味付けできるのも嬉しいポイントです!
材料(1人前)
- スパゲッティ・・・100g
- 塩・・・適量(水1Lに対して小さじ1が目安)
- 納豆・・・1パック
- 小松菜・・・2株
- 刻みのり・・・適量
- めんつゆ(2倍濃縮)・・・大さじ1
- オリーブオイル・・・大さじ1
- 納豆の付属のタレ・・・1袋
作り方
- 小松菜は3cm幅に切る。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したら塩を加えてスパゲティを茹でる。パッケージに表記されている茹で時間の30秒前に1を加え、火を通す。
- ボウルに納豆と<A>を入れて混ぜ合わせ、湯切りした2を加えて和える。
- 器に3を盛り付け、刻みのりをのせる。
しらすとねぎの混ぜごはん

しらすのふんわり食感と小ねぎのアクセントがおいしい混ぜごはんです。魚料理のハードルが高い場合も、しらすだと手軽に魚を取り入れられます。骨ごと食べられるしらすはカルシウムも豊富。カルシウム不足の方や骨の健康を守りたい方におすすめです。
材料(1人前)
- ごはん・・・150g
- 釜揚げしらす・・・20g
- 小ねぎ・・・1本(5g)
- 白いりごま・・・小さじ1
- 塩・・・少々
作り方
- 小ねぎは小口切りにする。
- ボウルに、全ての材料を入れて混ぜ合わせる。
ミネラル不足が骨に与える影響
カルシウムやマグネシウムが不足した状態が長く続くと、新しい骨を作る働きがゆるやかになったり、骨から放出されるミネラルが増えたりすることで、骨密度の低下を招きやすくなるとされています。
一方、リンは一般的な食生活で不足することはほとんどありません。ただし、とり過ぎが続くとカルシウムとのバランスが乱れ、骨の状態に影響する可能性があります。リンは加工食品やインスタント食品の添加物として使われている場合があるため、特定の食品に偏りのない食生活を心がけることが大切です。
骨の健康にかかわるミネラル不足
日本人はカルシウムとマグネシウムが不足しやすい傾向があります。
厚生労働省が行った「令和6年国民健康・栄養調査」では、20歳以上のカルシウム平均摂取量が男性489mg/日、女性476mg/日でした。一方、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」における18歳以上の推奨量は、男性750〜800mg/日、女性600〜650mg/日とされており、十分な量に届いていない状況がみられます。
マグネシウムについても、平均摂取量は男性263mg/日、女性235mg/日であり、推奨量は男性330〜380mg/日、女性270〜290mg/日を下回っています。
この背景には、食生活の乱れや日本人の乳製品の摂取量が比較的少ないことなどが関係していると考えられています。
骨量は20歳頃にピークを迎えるとされており、若い頃から骨の健康にかかわる栄養素を十分に摂取することが、その後の骨の健康につながります。年齢にかかわらず、日頃からミネラル補給を心がけましょう。
骨密度の変化と骨のコンディション
骨密度は低下しても自覚しにくく、気付かないまま変化が進むことが少なくありません。
特に女性は、閉経前後から骨密度が低下しやすくなる傾向があります。これは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きのあるエストロゲンの分泌量が減少するためです。
一方で、食事や運動、生活習慣によって、骨密度の変化をゆるやかにできることがわかっています。年齢を重ねても活動的な毎日を過ごすために、骨のコンディションを意識した生活を続けていきましょう。
骨の健康対策
丈夫な骨を維持するためには、「食事」「運動」「生活習慣」の3つをバランスよく整えることがポイントです。
食事
骨の形成には、ミネラルだけでなくビタミンKやB群、ビタミンCなど、さまざまな栄養素が関わっています。栄養素をバランスよくとり入れるため、主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識しましょう。
また、リンやアルコールのとり過ぎはカルシウムの吸収に影響するため、偏りのない食生活を心がけることが大切です。食塩を控えめにすることも骨の健康維持につながります。食塩のとり過ぎは、尿中へのカルシウム排泄量を増やすことが知られています。
運動
運動は骨に適度な刺激を与え、骨密度の維持につながると考えられています。
ウォーキングや筋力トレーニングのほか、水泳や水中ウォーキングなど、無理なく続けやすい運動を選びましょう。特にウォーキングや筋力トレーニングなどの荷重運動は、骨に刺激を与える運動として知られています。体力や身体の状態に合わせて、継続することが大切です。
生活習慣
ビタミンDは紫外線によって皮膚でも作られるため、適度に日光に当たる習慣をもつことが推奨されています。また、喫煙や極端なダイエットは骨の状態に影響する可能性があります。
健やかなカラダをつくる習慣が骨の健康維持にもつながるため、できることから少しずつとり入れてみましょう。
自分の骨の健康状態を知る方法

自分の骨の健康状態を知るには、骨や栄養状態の定期的なチェックが重要とされています。それぞれの方法を見ていきましょう。
骨の状態を知る
骨密度や骨量を測定し、骨の状態を客観的に把握できます。目的や実施場所によって検査方法が異なるため、代表的な2つをご紹介します。
DXA(デキサ法)
X線を用いて腰椎(背骨)や大腿骨近位部(足の付け根)の骨密度を測定する方法です。高い信頼性をもつ検査として、医療機関などで広く利用されています。
QUS(キューユーエス法)
超音波でかかとや脛(すね)、腕などの骨量を測定する方法です。被ばくの心配がなく、健康診断などでとり入れられています。
栄養状態を知る
健康な骨を維持するためには、骨密度だけでなく栄養状態も大切です。食事内容や検査結果を参考にしながら、自分の食習慣を見直してみましょう。
食生活を振り返る
カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどを含む食品を日常的にとり入れられているか確認し、食事全体のバランスも見直してみましょう。
血液検査
医療機関で行う血液検査では、ビタミンDなどの栄養状態を確認できます。なお、カルシウムは血中濃度が一定に保たれるため、血液検査だけでは状況を十分に把握できない場合があります。
Vivooで簡単にセルフチェック

栄養モニタリングサービス「Vivoo」は、骨の健康にかかわるミネラルの摂取傾向を把握するための参考ツールとして活用できます。食生活の振り返りと組み合わせることで、自分に合った食習慣を見つけるヒントになります。
※Vivooは医療機器ではなく一般の雑貨になります。まとめ
丈夫な骨づくりを支えるためには、カルシウムやマグネシウム、リンなどのミネラルだけでなく、ビタミンDやタンパク質なども必要です。食事や運動、生活習慣を意識しながら、栄養状態を定期的に振り返ることが骨のコンディション維持につながります。「Vivoo」なども活用しながら、日々の食生活を振り返り、自分に合った健康づくりに役立てていきましょう。
教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 池野三奈美さん
病院で10年間、外来・入院患者の栄養管理や栄養指導、NST業務を担当。現在はフリーランス管理栄養士として、特定保健指導やWeb記事の執筆を中心に活動中。根拠に基づいた内容をわかりやすく伝える文章づくりが得意。病院や保健指導での経験を活かし、読者が「これならできそう」と感じる具体的な提案を盛り込むことを心がけている。

参考文献
- 文部科学省:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」、文部科学省(閲覧日:2026年6月22日)
- 厚生労働省:「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」、厚生労働省(閲覧日:2026年6月22日)
- 厚生労働省:「国民健康・栄養調査」、厚生労働省(閲覧日:2026年6月22日)
- 一般社団法人 日本骨粗鬆症学会:「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」、一般社団法人 日本骨粗鬆症学会(閲覧日:2026年6月22日)
- 厚生労働省:「骨粗鬆症の予防のための食生活」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(閲覧日:2026年6月22日)
- 厚生労働省:「カルシウム」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(閲覧日:2026年6月22日)
- 厚生労働省:「マグネシウム」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(閲覧日:2026年6月22日)
- 厚生労働省:「リン」、健康日本21アクション支援システム Webサイト(閲覧日:2026年6月22日)
- 公益財団法人 骨粗鬆症財団:「骨粗鬆症とは」、公益財団法人 骨粗鬆症財団(閲覧日:2026年6月22日)
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