栄養・食生活
酸化ストレス:酸化と抗酸化のバランスが鍵
記事更新日:2026年8月4日
私たちのカラダでは、呼吸やストレス、運動など、無意識のうちに酸化が起こっています。本来はカラダを守るための反応ですが、過剰になると日々のコンディションなどに影響することがあると考えられています。そこで重要なのが「抗酸化」です。今回は、日々の生活の中で、このバランスを上手に整えていく方法をご紹介します。
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活性酸素と抗酸化物質のバランス
活性酸素とは呼吸によって取り込んだ酸素の一部が通常よりも活性化した状態のことで、免疫機能など私たちの身体の働きを正常に保つうえでも不可欠な役割を担っています。一方で、活性酸素には強い酸化作用があり、この酸化作用から身体を守る「抗酸化物質」とのバランスが大切だと考えられています。
活性酸素が発生しやすくなる要因とは?
活性酸素が発生しやすくなる要因として「外的要因」「内的要因」「食事由来の要因」の3つがあります。
- 外的要因:紫外線や大気汚染、放射線、化学物質、たばこの煙(副流煙も含む)
- 内的要因:過度な精神的ストレス、激しい運動、睡眠不足など
- 食事由来の要因:酸化した油(出来合いの揚げ物など)の摂取、加工食品に偏った食生活、過度の飲酒など
睡眠、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣は、活性酸素の発生や抗酸化物質の働きに関わると考えられています。まずは日々の生活習慣を振り返ることから始めてみましょう。
抗酸化成分の種類と豊富に含む食材
酸化と抗酸化のバランスを意識する上で大切なのは、食事から「抗酸化成分」を取り入れることです。抗酸化成分にはさまざまな種類があり、それぞれ役割や働く場所が異なります。どれか一つだけではなく、さまざまな食品からまんべんなくとることがポイントです。
ビタミン類(A・C・E)
抗酸化ビタミンとして知られるビタミンA・C・Eは、それぞれが単独で働くよりもお互いに補完し合うことで効果が高まるという特徴があります。
ビタミンC
水に溶けやすい性質を持ち、体内のさまざまな場所で抗酸化作用に関わるビタミンです。
ビタミンE
油に溶けやすい性質を持ち、細胞膜などに存在して酸化から守る働きに関わるとされています。
ビタミンA(β-カロテンなど)
ビタミンEと同じく脂溶性で、緑黄色野菜などに多く含まれる抗酸化成分です。体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
カロテノイド類
カロテノイドとは、緑黄色野菜や果物、海藻などに含まれる赤や黄、オレンジ色の天然色素のことです。植物が紫外線から身を守るために自らが作り出す成分で、非常に強い抗酸化力を持ちます。
リコピン
トマトやスイカに含まれる赤い色素です。抗酸化力はビタミンEの100倍以上とも言われています。
アスタキサンチン
鮭やエビ、カニ、いくらなどに含まれる赤い色素です。カロテノイド類の中でも非常に高い抗酸化力があります。
ポリフェノール類
ポリフェノールは、植物に存在する苦味や渋味、色素の成分です。吸収が早く体内にため込むことができないため、毎日こまめに継続してとることが大切です。
アントシアニン
ブルーベリーやナス、黒豆の紫色、イチゴや梅干しの赤色を構成する色素成分。赤米、黒米にも含まれます。
カテキン
緑茶に多く含まれる渋味成分です。抗酸化作用のほか、殺菌作用やコレステロールの酸化を抑える働きがあります。
イソフラボン
マメ科の植物に多く含まれますが、特に、大豆や大豆製品に多く含まれます。納豆や味噌のように発酵させることで吸収効率が高まります。
ケルセチン
玉ねぎの皮や紫玉ねぎ、ブロッコリー、モロヘイヤ、サニーレタスなどに多く含まれます。
酸化と抗酸化のバランスを意識した生活習慣
酸化と抗酸化のバランスは、日々の食事や運動、睡眠などの生活習慣と関わっています。まずは毎日の習慣を見直すことから始めてみましょう。
食事
ビタミンACEやポリフェノール、カロテノイドなどを豊富に含む彩りのある食品を日々の食事にまんべんなくとり入れましょう。飲酒習慣がある人は、適量の飲酒量を守り、週1~2日の休肝日を作るなど上手に楽しみましょう。
運動
楽しく続けられるスポーツやウォーキングなどの有酸素運動、ヨガなど室内でできる運動に挑戦してみましょう。誰かと一緒にできるスポーツは、約束をしたり会話をしたり、カラダを動かす以外の活動も取り入れられ、心のストレスケアにもつながり、より効果的です。
休養
質の高い睡眠や十分な休養は、健やかな毎日を支える大切な要素です。休養を十分とり、精神的ストレスをため込まないよう、自分なりのストレスマネジメントを見つけておくことが大切です。
その他
喫煙は、活性酸素が発生しやすくなる要因の一つです。また、紫外線も活性酸素が発生しやすくなる要因になります。適度に木陰で休む、日焼け止めを塗る、日傘をさすなど長時間浴びないように気をつけましょう。
酸化ストレス習慣チェック
ご自身の普段の生活の中で、どのくらい酸化ストレスを高めやすい習慣があるかチェックしてみましょう。
<酸化ストレス習慣チェックリスト>
- 喫煙習慣がある。もしくは、副流煙をよく浴びる。
-
適正な飲酒量を超えた飲酒習慣がある、または休肝日がない。
※適正な飲酒量とは
ビール・チューハイ(5%):500ml、焼酎:90ml、ウィスキー:60ml(ダブル1杯)、ワイン:180ml(グラス2杯)、日本酒:1合(180ml) - 日焼け対策をしない(日焼け止めを塗る、日傘をさすなど)。
- 睡眠不足がち。
- スナック菓子、酸化した油を含む出来合いの揚げ物、加工食品を週半分以上食べる。
- 野菜や果物を食べる習慣がない。
- 運動不足あるいは、息が激しく上がるほどのストイックな運動習慣がある。
上記に当てはまる項目があった場合は、食事や睡眠、運動などの生活習慣を見直すきっかけにしてみましょう。
日々の食事や生活習慣を振り返るきっかけとして、栄養モニタリングサービス「Vivoo」を活用してみるのもよいでしょう。尿によるテストで日々の栄養や生活習慣の傾向を把握するきっかけとなり、毎日のセルフチェックに役立てることができます。
まとめ
活性酸素と抗酸化物質のバランスは、日々の食事や運動、睡眠などの生活習慣と関わっています。毎日の生活習慣での工夫が大切ですが、つい後回しになってしまうこともあります。定期的に栄養モニタリングサービス「Vivoo」でセルフチェックをして「見える化」することは、日々の習慣を振り返り、ちょっと意識してできることを見つける後押しをしてくれるでしょう。
教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 松岡喜美子さん
資格:管理栄養士・健康運動指導士・循環器病予防療養指導士
2008年よりフリーランスとしての活動を開始。特定保健指導の立ち上げに携わり、これまで1万件以上の指導を実施してきた。行動変容支援の実践知を蓄積し、医療現場での栄養指導、企業・自治体での講師、コラム・論文執筆など幅広く活動している。幅広く培った知見と個々に寄り添う対話を軸に、日々の選択をより簡単に、そして持続可能な健康行動の定着を支援している。

参考文献
- 日本老化制御研究所、「酸化ストレスとは?」(閲覧日:2026年6月12日)
- 厚生労働省:「健康日本21 各論」(閲覧日:2026年6月12日)
- 田中喜代次ら:運動生理学大事典 健康・スポーツ現場で役立つ理論と応用、西村書店(2017)
- 吉田企世子ら:あたらしい栄養学、高橋書店、(2016)
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