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塩分:適切な摂取量を意識して、減塩に取り組もう

記事更新日:2026年7月21日

塩分:適切な摂取量を意識して、減塩に取り組もう

塩分とは、食品に含まれるナトリウム量を食塩に換算したもの(食塩相当量)を示します。調味料として使用する食塩だけでなく味噌やしょう油、貝類、海藻類など様々な食品に含まれます。ナトリウムは身体の水分バランスを保つ働きや血圧の調整などに欠かせない栄養素の一つですが、現代の食事では、目標量に対してとり過ぎの傾向が見られます。健康を維持するためにも「適切な量を知る」ことが大切です。

塩分の摂取量

健康な人を対象とした日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人が目指すべき1日あたりの食塩相当量の目標量を男性7.5 g未満、女性6.5 g未満と定めています。また、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための目標量は、6.0g未満です。令和6年の国民健康栄養調査の結果では、実際の食塩摂取量の平均値は、1日あたり男性10.5g、女性8.9 gと目標量よりやや高めの結果でした。

日本の食文化には、しょう油や味噌、漬物など、塩分を活用して保存性やうま味を高めてきた伝統的な食品が数多くあります。その結果、日本人の食塩摂取量は世界と比較しても多い傾向があります。WHO(世界保健機関)は、ナトリウム2,000mg未満(食塩相当量約5g未満)を目標としており、これは、主に欧米の大規模研究によって降圧効果が得られたというエビデンスに基づいて決定しています。

健康を維持するためにも、目標量を意識した食事が大切ですが、現場作業をする人やアスリート、スポーツの習慣がある人などは、発汗量が多く、汗からナトリウムが喪失します。熱中症対策にも適切な塩分摂取は欠かせません。個々のライフスタイルや食習慣により適切な塩分量を知ることが大切です。

塩分の多い食品

しょう油ラーメン

一般的に、インスタント食品などの加工品、ちくわやかまぼこなどの練り物、漬物、干物などは塩分が高い食品の代表例です。その他、ラーメンやうどん、そばなどの麺類のスープにも塩分が多く含まれます。

また、外食も全体的に塩分が高めになる傾向があります。例えば、牛丼なら1食3.8g※1、しょう油ラーメンなら1杯5.8g※1と、1食で1日の食塩摂取目標量を満たしてしまうこともあります。

まずは、スーパーなどで食品を購入する際に、パッケージに記載されている栄養成分表示の食塩相当量を確認してみましょう。また、外食の際は、メニューやお店の公式サイトで栄養成分表示が確認できる場合があります。普段どれくらい塩分をとっているかを知ることは、減塩に向けた第一歩になるでしょう。

※1:「外食・コンビニ・惣菜のカロリーガイド」を参照

隠れ塩分の落とし穴

「しょっぱい」と感じないのに、実は塩分が多く含まれている食品も少なくありません。これが、「隠れ塩分」です。

例えば、食パンや甘い菓子パンには、味を整えるなどさまざまな理由から塩分が含まれています。また、パスタは、麺自体には塩分がほとんど含まれていませんが、ゆでる際に塩を加えます。

そのほか、ドレッシングやケチャップなどの調味料、クラッカーやスナック菓子なども、味の印象以上に塩分が含まれているケースが少なくありません。

こうした食品は日常的に食べる機会が多いため、知らず知らずの内に塩分をとり過ぎていたという状況を招きがちです。味覚のイメージだけで判断せず、栄養成分表示の「食塩相当量」を確認する習慣が大切になります。

塩分過多が与える影響

塩分をとり過ぎると、体内のナトリウム濃度を保つために水分をため込みやすくなります。血管や心臓に負担がかかり、高血圧をはじめ、狭心症などの虚血性心疾患や脳卒中などの脳血管疾患のリスクを高めることが、さまざまな研究で示されています。

また、腎臓は、余分なナトリウムを排出しながら水分の再吸収を調整し、尿をつくります。塩分を日々過剰にとる習慣は、腎臓にも大きな負担をかけることにつながります。ラーメンを食べた後に喉が渇いて水をたくさん飲んだり、塩分を多く含む食事のあとに身体のむくみを感じるのは、身体がナトリウムや水分のバランスを保とうとしているサインです。普段の食事で食塩摂取量を意識し、身体からのサインにも気づくことが大切です。

食塩摂取量のセルフチェック

食塩摂取量のセルフチェック

自分が普段どれくらい塩分をとっているのかを具体的に知るための方法を3つご紹介します。

①栄養成分表示を確認する

市販のパンやお弁当、加工食品、お惣菜などには、必ず栄養成分表示があります。それらを計算して、1食当たりの合計を出してみましょう。1食当たりの食塩相当量の目安は、2~3g未満です。

②食事記録アプリを使う

食事写真や食べたものを記録するだけで、食塩摂取量も自動で計算されます。日々の食事を意識して傾向を知るきっかけになるでしょう。

③Vivooのようなセルフチェックツールを活用する

栄養モニタリングサービス「Vivoo」のような、自宅で手軽に尿を用いて食塩摂取量をはじめとする栄養状態の傾向を把握できるサービスの活用は、自分のペースで行うことができます。さらに、スマートフォンで結果を確認できる手軽さは、忙しい人にも取り入れやすい方法です。

栄養モニタリングサービス「Vivoo」食塩摂取量

塩分を減らすための工夫

塩分を減らすための工夫

セルフチェックで食塩摂取量が「多い」と分かったら、ほんの少し工夫して適切な食塩摂取量に近づけることが大切です。そのための工夫を3つご紹介します。

①「1品満足法」に挑戦する

すべての料理を薄味にしてしまうと満足感が得られず、食事の楽しみが失われ、逆に食べすぎにつながることもあります。1食の献立の中で、「1品だけは自分の好みの塩加減で味わい、ほかの料理で減塩を意識する」というメリハリのある方法で、物足りない減塩からおいしい減塩に挑戦してみましょう。

②だしや酸味、スパイスやハーブを活用して多様性のある調理に挑戦する。

かつお節や昆布で一からだしを取るのはハードルが高く感じるかもしれませんが、「だしパック」を使えば手軽に出汁が作れます。和え物やサラダに「かつお節」を加えることも、少量の調味料で満足感のある味わいに仕上がります。

また、しょう油をレモン果汁やお酢で割ると、「減塩調味料」になります。スパイシーな味が好きな方は、塩よりもこしょうを多めに使ったり、ハーブと塩を混ぜたハーブ塩で香りをプラスしたりすると、少量の塩で満足感が得られます。

③できるところから減塩を意識して素材の味を楽しむ

「減塩」というと美味しくない、物足りないといったイメージを持ちがちですが、「毎週の外食を隔週にする」「新鮮な食材をとりいれる」「スナック菓子を果物に変える」など出来そうなところから取り組むと意外と慣れてくるものです。

減塩生活のメリット

自分に合った食塩摂取量を知り、その量に近づけるための食事がどのようなものかがわかったら、次はそれを「日々の食事の基本として習慣化すること」が大切です。続けることで、身体がどのように変化するのかを、ぜひ自分自身で感じ取ってみましょう。

例えば、「むくみを感じにくくなった」「少ない調味料でも満足できるようになった」「旬の素材をよく食べるようになった」「外食の味が濃いと感じるようになった」といった変化を感じられるかもしれません。

さらに、こうした積み重ねが、体重コントロールや血圧の安定といった健康面の改善につながることもあります。

食塩を減らしておいしい!
おすすめの減塩レシピ

お酢の酸味とごま油の風味で塩分控えめでも満足感のある、さっぱりとした中華風サラダです。

トマトときゅうりの中華サラダ

トマトときゅうりの中華サラダ

副菜の定番、トマトときゅうりを使った中華サラダです。酢やごま油を効かせることでしょう油の使用量を減らしているので、減塩にもつながります。

材料(1人前)

  • トマト:1/4個
  • きゅうり:1/2本
<A>
  • 酢:小さじ1
  • ごま油:小さじ1
  • しょう油:小さじ1/2
  • 砂糖:小さじ1/2
  • 白いりごま:小さじ1/2

作り方

  1. トマトは食べやすい大きさに切る。きゅうりは乱切りにする。
  2. ボウルに<A>を入れて混ぜ合わせ、1を加えて和える。

鶏肉のレモン炒め

鶏肉のレモン炒め

レモンの皮と果汁を使った爽やかな炒め物です。レモンの酸味と香りを活かすことで、しょう油や塩の使用量を抑えながらも満足感のある味わいに仕上がります。減塩を意識したい方にも取り入れやすい一品です。

材料(1人前)

  • 鶏もも肉:80g
  • 小松菜:1株
  • 長ねぎ:1/3本(30g)
  • レモンの皮:2g
  • しょう油:小さじ1
  • レモン果汁:小さじ1
  • 塩:少々

作り方

  1. 小松菜は3cm幅に切る。長ねぎは斜め薄切りにする。レモンは皮を薄く削ぎ落とし、千切りにする。
  2. 鶏もも肉は一口大に切る。
  3. 中火に熱したフライパンにサラダ油をひき、2を入れて両面焼き色をつける。
  4. 1を加えて炒め、野菜がしんなりとしたら<A>を入れてさらに炒める。
※掲載レシピは、eatreat管理栄養士監修

まとめ

塩分は身体にとって必要である一方、過剰摂取に注意したい栄養素です。まずは、食塩をどのくらいとっているかご自身の食生活を振り返ってみてください。

減塩は「我慢」ではなく、身体の声に耳を傾けながら、自分に合った食習慣を育てていくプロセスです。小さな変化を楽しみながら続けていきましょう。

教えてくれたのは:Eatreat管理栄養士 松岡喜美子さん

資格:管理栄養士・健康運動指導士・循環器病予防療養指導士
2008年よりフリーランスとしての活動を開始。特定保健指導の立ち上げに携わり、これまで1万件以上の指導を実施してきた。行動変容支援の実践知を蓄積し、医療現場での栄養指導、企業・自治体での講師、コラム・論文執筆など幅広く活動している。幅広く培った知見と個々に寄り添う対話を軸に、日々の選択をより簡単に、そして持続可能な健康行動の定着を支援している。

Eatreat管理栄養士 松岡喜美子さん

参考文献

Vivooと食塩

日本人の塩分摂取は多すぎる?

日本人の食塩摂取量は1日平均9.6g。
これは健康日本21(第三次)の目標値の約1.4倍にあたり、
多くの人が知らないうちに塩分を摂りすぎていると言われています。※1

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※1 「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」および
  健康日本21(第三次)の目標値(1日7g以下の食塩摂取)を基に算出

※1 「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」および
  健康日本21(第三次)の目標値(1日7g以下の食塩摂取)を基に算出