
レース1カ月前
「全然練習ができていない!」と焦り始める、レース1カ月前。とくに、フルマラソンに初挑戦のランナーは、計画的に練習を重ねられず、1カ月前から急に練習量を増やしてしまいがちです。練習強度を増やせば身体への負担が大きくなり、直前に体調を崩すことにもつながります。本番に近づくにつれ、焦る気持ちを抑え、少しずつ走る量を減らしていくのがポイントです。
トレーニング

本番を意識して、ある程度の長距離、もしくは3〜4時間の時間走を経験しておきましょう。平日は疲れを抜くために5〜10kmの軽いジョグで十分。毎日のストレッチも大切です。
■ポイント
レース当日は周りの選手の存在や沿道の応援など、外的要素に後押しされるので、練習で30km走れたら、自信を持ってOK!

徐々に距離を減らして、疲れを残さないように!平日は5km程度の軽いジョグを。2時間走など、時間で区切った練習でもOK。
■ポイント
一週間前を切ると食事はとても重要。内臓に負担をかけないよう意識した食事を。2〜3日前からお酒は控えた方が安心。久保さんは利尿作用の高いコーヒーも控えるそう。
コンディショニング
レース前の体調維持は、フルマラソン完走のための必須条件。長めのランは身体への負荷も高いので、練習後は体調維持に役立つ乳酸菌やタンパク質をとり、しっかりメンテナンスしましょう。
レース当日
食事は炭水化物をしっかりとり、レース3〜4時間前に済ませたい。スタート直前にとるものは、ゼリーなど消化吸収がよいものがおすすめです。
コンディショニング
本レース30分前には、筋肉でエネルギー源となる「BCAA」、多機能アミノ酸「アルギニン」がとれる「アミノバリュー」を。顆粒タイプならレース中にこまめにとれるので、最後まで身体をサポートしてくれます。
レース後は、身体のリカバリーのために「ボディメンテ ゼリー」がおすすめ。「フルマラソンは完走できたけれど、その後が大変だった」なんてことにならないように、乳酸菌とタンパク質でしっかりメンテナンスしましょう。



激しいトレーニングでリスクにさらされやすいアスリートの体調を支える「乳酸菌B240」、筋肉のリカバリーをサポートするアミノ酸「BCAA+アルギニン」、身体をメンテナンスする「ホエイタンパク」。3つの成分が、コンディショニングをサポート。
直前のコンディショニングに苦労した経験もある久保さんが「手放せない!」と一押しするアイテムです。


横浜のランニングクラブで走る楽しさを伝え続けている久保さん。しかし現役時代、陸上は苦しく、引退時は「これで解放される!」と思っていたそう。 走る意味合いが変わったきっかけや、久保さんにとってランとは何か、話を伺いました。
走ることが苦しかった現役時代

走ることが楽しいと思えたのは、実業団を引退した32歳のときでした。中学、高校、大学、社会人と、陸上とは21年付き合ってきましたが、「成績を残せなければ未来はない」と追い込んでくる苦しい存在で……。実業団時代も「引退したら、もう一生走るものか」と思っていました(笑)。それが、40代になってフルマラソンを楽しんでいる。人生は分からないものです。
高校時代は5000m、10000mを得意としていたので、20km以上走る駅伝は苦手な分野でした。拓殖大学では箱根駅伝で4区と10区を走りましたが、どちらとも大ブレーキを起こし、ふらふらになって何とか襷(たすき)をつないだ。その苦しさから長距離がトラウマになり、マラソンは避けていました。
実業団時代も周りの方に支えていただき何とか11年も続けられたものの、引退を決めたときは「これで陸上から離れられる!」と晴れ晴れした気持ちでしたね。
身体を動かす根源的な楽しさに気づいた

「走る」意味合いが変わったのは、引退して1年経ったとき。ちょうどその頃、仕事でも上司とうまが合わず、プライベートでも人間関係に悩みうつうつとしていました。そんな僕を見かねた同僚が、フットサルに誘ってくれたんです。久しぶりに仲間とわいわい走り回り、勝ち負けに一喜一憂して、純粋に競技を楽しむ。自分の身体を自由に動かせるってこんなに楽しいことなんだと、はっとさせられました。フットサルを始めてから、仕事でもプライベートでも「まあ、いいか」と思える場面が増えて、言いたいことも言えるようになっていきました。
走ることは、自分が自分らしくいるために必要なのかもしれない。これからは“教える”側になって、今までいただいてきたサポートを、世の中に還元しよう――。
そう思い立ち、知人のつながりがあったランニング・デポに転職。当時いた代表が組織を離れることになったタイミングで、僕が代表を務めることになりました。
走ることは、メディテーションの一種
ランニング・デポに移った当初は、会員ランナーたちと走る楽しさを共有しようと、自分自身もファンランを楽しんでいました。でも、30代後半になり、もう一度自分の限界にチャレンジしたいという思いが芽生えてくるように。10代、20代では挑戦できなかったマラソンという新しいステージで、競技人生で培ってきたスキルや経験を生かしたいと考えたのです。
マラソンを始めて、走ることは表現手法の一つであり、自分自身を正しい場所にリセットさせるメディテーション(瞑想)のようなものだなと感じています。
走っている時間は、自分の身体がどう動いているのかフォームとひたすら向き合う時間。自分の内面に意識を向けて集中し、どんな走りを生み出せるかを考え続けています。身体の細かな動き一つひとつを確認しながら、左右のバランスや重みなどを修正していく作業は、身体を本来あるべき状態に戻す作業に似ているのかなと。走ると、身体がきちんと整えられていく感じがするんです。
40代になって、年齢別で1位になり、年を重ねながら成長していけるものに出会えたことを幸せに感じます。
今は、子育てと家事に追われながらのランナー、コーチ業生活。想定外のことばかり起こる子どもとの生活により、臨機応変に柔軟に、出たとこ勝負というマインドは日々鍛えられています。これが、またランライフにどんな影響をもたらしてくれるのか、とても楽しみです。
ラン、マラソンを生活の中に楽しく取り入れていくには、練習後やレース前後も身体を整え、気持ちよく過ごせることが大切です。そのために、身体のメンテナンスは欠かせないですね。
プロフィール:久保健二さん

中学から陸上を始め、中京商業高校(現:中京院中京)にて全国高校混成陸上競技大会 10000m 3位、全国高校駅伝3回出場(高校3年時全国6位)の成績を残す。拓殖大学では箱根駅伝に二度出場。卒業後に実業団(日産自動車陸上部)に11年間所属し、ニューイヤー駅伝7回出場、東日本実業団駅伝区間賞、十和田八幡平駅伝区間賞。引退後、特定非営利活動法人ランニング・デポのコーチとして就任。現在は代表を務める。ほかに、アミノバリューランニングクラブ in 神奈川でのコーチ(2010〜2015)、アミノバリュートラッククラブのコーチ(2016〜2018)も兼任。実業団引退後に始めたマラソンで、下記の成績を残す。
2016年 | 東京トライアルハーフマラソン40歳代の部1位 | 1時間08分59秒 (総合3位) |
2017年 | 神奈川マラソンハーフ40歳代の部1位 | 1時間08分20秒 |
2016年度 | 第13回全日本フルマラソンランキング「男子41歳の部」第1位 | 2時間28分04秒 |
2017年度 | 第14回全日本フルマラソンランキング「男子42歳の部」第1位 | 2時間26分08秒 |
2018年 | 神奈川マラソンハーフ40歳代の部1位 | 1時間07分59秒 |
2018年 | 日本マスターズ陸上クラス別日本記録達成 道路競技(男子)の ハーフマラソン M40 |
1時間07分59秒 |