

「糖質制限」という言葉をよく耳にするようになりました。
「糖質オフ」「糖質カット」と表記した飲料や食品も増えていますね。
なんとなく気になるけど、糖質について良くわかっていないという方は多いのではないでしょうか。
糖質を上手に取るための4つのポイントをご紹介します。


まず、「糖質とは何?糖分とは違うの?」というところから説明します。 「糖質」と「糖分」は言葉としては似ていますが、糖分という言葉には明確な定義がなく、甘いものやごはんなどの、糖質食品を指す曖昧な言葉です。 対して「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いたものという定義があり、私たちが日々の活動で消費する「エネルギーの元」となっています。
「糖質をとらなくても、からだのエネルギーとして脂肪を使えばよいのでは?」と思われるかもしれませんが、実は糖質がない状態では脂肪はうまく使えません。 また、この糖質が不足すると、疲労感や集中力が落ちてボーっとしたりしてしまうことになります。 一方で、過剰にとるとエネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積。 「糖質=太る」のイメージがあるのはこのためです。
つまり糖質はそのとり方がとても大切なのです。


糖質は、「食物繊維と一緒にとる」か「単独でとる」かで、からだへの影響に大きく差が出ます。
食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする働きがあるため、一緒にとると糖質をエネルギー源として少しずつ使っていくことができます。
しかし、食物繊維の少ない状態で糖質をとると、糖が一気に吸収されるため血糖値が急上昇します。 すると、前述の通りエネルギー源として使いきれない分の糖質は、中性脂肪に代わって蓄積されてしまうのです。 また血糖値が急上昇し、その後急降下することで、疲労感やだるさを感じやすくなってしまいます。
食物繊維の少ない糖質食品には甘い飲料や菓子、菓子パンなどが挙げられます。 これらをよくとっていると、知らないうちに糖質を中性脂肪にしてしまっているかもしれません。


糖質をエネルギーとしてしっかり使うために欠かせない食物繊維。 糖質と食物繊維がセットでとれる食品の代表は、米や小麦、そばなどの「穀類」です。 ただし注意したいのは、「精白したものは食物繊維が減っている」という点です。
解決策として、白いごはんを食べる時は、玄米や押し麦、雑穀などを加えると食物繊維が増やせます。
パンやパスタなどは「全粒粉」で作ったものを。
そばは「そば粉率」の高いものを選ぶのがおすすめです。
どれも色が少し茶色や黒っぽくなっているため、色味をちょっと気にして選んでみましょう。
食物繊維が増えると、同じカロリーの食品でも血糖値の上がり方が緩やかになり、中性脂肪にもなりにくくなります。 特にダイエット中はカロリーばかりに目が行きがちですが、食べ物はカロリーだけでできていません。 からだの中でどう吸収されてどう働くかについて目を向けることが大切です。


食物繊維がセットでとれる食品として、精白度の低い穀類がよいことは分かったものの、「食べ慣れたごはんやパンを変えるのはなかなかハードルが高い!」という方もいるかと思います。 そんな方におすすめの、穀類以外の「糖質+食物繊維」食品を紹介します。
それは「豆・芋・栗・ごぼう・かぼちゃ・果物」です。 これらの食品は、糖質が多いため敬遠している方もいるかと思いますが、実は食物繊維がたっぷり含まれているので、ダイエットにも体調維持にもおすすめの食品なのです。
豆はレッドキドニー(金時豆)やひよこ豆、小豆などがおすすめです。 これらはレトルトのサラダパックや缶詰があり、そのまま使えるのでサラダやスープなどにプラスしてとりましょう。 芋の中ではジャガイモは食物繊維が少なめなので、その他のサトイモやサツマイモがおすすめです。 かぼちゃやごぼうも食物繊維が豊富です。 普段あまりとっていないと感じたら、意識して少し増やしてみてはいかがでしょうか? 煮豆や甘栗、果物などはおやつに食べるといいですよ。 腹持ちがよく、エネルギー補給にもなります。



- さつまいも…1/3本(120g)
- かぼちゃ…120g
- ブロッコリー…50g
- しめじ…1/3パック
- にんにく…1/2片
- プロセスチーズ…30g
- 牛乳…250cc
- バター…小さじ1/2
- 塩…小さじ1/3
- こしょう…少々
- 粉チーズ…小さじ1
- 黒ごま…小さじ1

- さつまいもは皮を剥き、1.5cm厚さのいちょう切りにし、水にさらす。
- かぼちゃは種を除き、皮つきのまま、2〜3cm角に切る。
- ブロッコリーは小房にして茹でる。
- しめじをほぐす。
- にんにくはみじん切りにする。
- プロセスチーズは1cm角に切る。

- 鍋にさつまいも、かぼちゃ、にんにく、牛乳、バター小さじ1/2を入れて火にかける。
- 煮立ってきたら弱火にし、紙ぶたをして10〜12分、柔らかくなるまで煮る。
- 2に塩、こしょう、しめじを加え、1〜2分煮る。
- 火を止めたらブロッコリー、プロセスチーズを加え、耐熱容器に入れる。
- 表面に粉チーズ小さじ1、黒ごま小さじ1をふりかける。
- 200〜230度に温めたオーブンで約10分焼く。
栄養素が充実すれば、エネルギーをしっかり消費できる代謝の高いからだになれますよ。
ぜひ作ってみてください。
監修者:管理栄養士/健康運動指導士/食コンディショニングトレーナー
小島美和子