

「豆はからだにいい」というイメージを持っている方も多いと思います。
「豆」と一口にいっても、大豆、あずき、金時豆(レッドキドニー)、ひよこ豆(ガルバンゾー)、いんげんまめ(グリンピース)、レンズまめ、そらまめなど様々な種類があります。多くの豆類の主を占めるのは「炭水化物」です。
しかし、この中にひとつだけ栄養成分比率に特徴的な豆があります。それは、「大豆」です。
大豆の力を存分に取り入れるための5つのポイントをご紹介します。

大豆以外の豆の栄養成分は「炭水化物」の比率が高いのに対し、大豆には「タンパク質」が多く含まれています。
たんぱく質というと肉や魚がイメージされますが、大豆は「畑の肉」といわれるくらい、タンパク質を豊富に含んでいます。しかも動物性の食品で気になる脂肪も抑えられ、コレステロール0。その上、体内では合成されない必須アミノ酸9種がバランスよく含まれて栄養面でも理想的。良質な植物性タンパク質で、健康的でしなやかなカラダづくりを応援します。



大豆にはまだまだ大切な栄養が含まれています。
次にご紹介したいのが「食物繊維」。
食物繊維は、腸内環境を整える作用がありますので、スッキリしたい方は是非摂って頂きたい成分。
ただし、おから部分を取り除いてしまう、豆乳や豆腐には食物繊維はほとんど含まれていません。
食物繊維をとるためには、ゆで大豆や納豆、きなこ、おからなど大豆をまるごと食べる食材を選びましょう。
食物繊維は多くの日本人が不足している栄養ですので、大豆を積極的に食事に取り入れるのがおすすめです。
他にも、大豆にはこんな栄養も!
大豆オリゴ糖
腸内で善玉菌を増やす働きがあります。また、大豆オリゴ糖は甘味が強く、カロリーは砂糖の半分。
ビタミンB群 / ビタミンE
ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質をエネルギーに変える作用があります。
また、美しさ、若々しさのビタミンと言われるビタミンEも豊富です。
そして何と言っても女性に嬉しいのが「大豆イソフラボン」。
大豆イソフラボン
大豆の胚軸に含まれる植物由来のポリフェノールの一種。
健康と美容のために、すべての女性にぜひ摂って頂きたい成分ですが、特に、女性らしさを保つチカラが減少する、ゆらぎ世代の女性にオススメです。


大豆にはいろんな力があることをご紹介いたしましたが、あなたは日頃、どのような大豆食品を口にしていますか?
豆腐、納豆、油揚げ、厚揚げ、枝豆……。この辺りは食卓に並ぶことも多いのではないでしょうか?
他にも、ゆで大豆、湯葉、きなこ、おから、豆乳、高野豆腐、がんもどきと、大豆から作られた食品はたくさんあります。
豆腐ハンバーグ、豆腐ドーナツ、きなこ大豆、干し納豆など、大豆製品を使ったおかずやおやつのバリエーションも豊富です。
様々な栄養のある大豆なので、是非日々の食生活に積極的に取り入れてください。
また、納豆は大豆の栄養に加えて、納豆菌が腸内環境を整えるなど発酵食品としての力もプラスされます。
朝食は「ごはんと納豆」と決めてしまうのもいいかもしれません。

実は昨今、食の欧米化が進み、肉料理などの動物性食品の摂取が増え、私たちはあまり大豆を食べなくなっています。
豆乳ブームの2005年をピークに日本人の大豆摂取量は減っています。
下のグラフを見ると、日本では大豆を含む豆類の摂取は1日1人あたり平均 60.3g。
豆類の摂取目標は1日100g以上とされていますので、摂取量はこの目標数値の約6割程度ということになります。
※2000年からスタートした「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」より

最近は買い置きできる大豆食品も多いので、まとめて買っておいて、いつもの料理に積極的にプラスしてみましょう。
例えば、茹でた大豆はサラダ用パックや缶詰がありますし、枝豆は冷凍食品の定番ですね。
これらは、そのまま食べられるので食卓のサラダや和え物、煮物などに加えましょう。
豆腐や油揚げ、厚揚げを味噌汁やスープ、煮物に加えるのも良いですよ。
料理にボリュームも出て、満足感のある一皿になります。
豆乳はそのまま飲むのはもちろん、コーヒーやココアとの相性もいいので牛乳代わりとしても利用できますし、
シチューやクリームソースを、豆乳で作っても美味しくできあがります。
きなこはホットコーヒーやカフェオレ、ココアなどに加えてもおいしくいただけるうえ、
大福やシフォンケーキを食べる時のトッピングや、少し砂糖を加えてトーストにかけるのもおすすめです。

最後に、大豆パワーを積極的に摂りいれられるように、大豆を使った女性に嬉しい“スイーツ”をご紹介します。


- ババロア型やプリンカップ
(140ml程度)…2個 - きなこ…20g
- 熱湯…大さじ3
- 粉ゼラチン…6g
- 豆乳…250cc
- 卵黄…1個分
- てんさい糖(無い場合は普段お使いの砂糖)…30g
- 黒砂糖…20g
- 水…大さじ2


- 1.きなこに熱湯を加えてよく混ぜる。
- 2.粉ゼラチンはゼラチンの規定の分量の水でふやかす。
- 3.豆乳に、てんさい糖の半量を入れ、沸騰直前まで火にかける。
- 4.ボウルに卵黄と残りのてんさい糖を入れ、泡立て器で白っぽくなるまでよく混ぜ、途中で2.を加える。
- 5.4.を鍋に戻し、1.を加え、弱火にかける。木べらで混ぜながら弱いとろみがつくまで混ぜる。
- 6.5.にとろみがついたら火からおろし、鍋底を氷水につける。きなこが沈まないように、トロリとするまで混ぜる。
- 7.2つの型に等分に流し、冷蔵庫で冷やし固める。(2〜3時間)
- 8.黒蜜を作る。粉末の黒砂糖と水を火にかけ、とろみがつくまで煮詰める。
- 9.7.を型からはずし、8.をかける。
- 甘さは黒蜜で加減しましょう。
栄養が充実すれば、エネルギーがしっかり消費される代謝の高いからだをつくることができます。
ぜひ、大豆の力を存分にとり入れて、健康的な毎日を過ごして下さいね。
監修者:管理栄養士/健康運動指導士/食コンディショニングトレーナー
小島美和子
