
ゴルフ歴3年。最近は健康を意識して、加圧トレーニングなどにも取り組む。ゴルフのスコアは90台。

15歳からゴルフをはじめ、大学時代は少し離れたが社会人になって再び夢中に。スコアは87前後。

夫雅彦さんの影響を受け、5年ほど前からゴルフを本格的にはじめる。スコアは100〜110。100を切るのが目標。
日本ゴルフツアーのトーナメント会場に帯同するフィットネスカー。そこでボディメンテナンスのスペシャリストとして、ベテランから若手までプロゴルファーの誰からも厚い信頼を寄せられているのが成瀬氏だ。今回は、厳しい闘いの世界でしのぎを削るプロゴルファーの肉体をサポートするアスレチックトレーナーならではの視点から、ゴルフ上達の秘訣を、ゴルフ愛好者の皆さんと共に語ってもらった。
- 成瀬
- 今回は偶然、同年代の方が3名、お集まりいただきましたが、ゴルフのキャリアはそれぞれですね。いろいろなお悩みをお聞きしていきたいと思いますが、私はレッスンプロではありませんので、トレーナーという立場からの体の使い方やメンテナンスを中心にお話します。
最初に、今皆さんがゴルフで課題とされていることから伺いたいと思います。
- 金森
- ゴルフをはじめて3年になります。やはり最近の悩みは、もっと飛距離を伸ばしたい、ということでしょうか。私は日常にもトレーニングを取り入れて、筋力アップも図っているのですが、なかなか飛距離が伸びません。
- 庄(かなえ)
- 私も飛距離を伸ばしたいのですが、女性だとなかなか難しいのでしょうか。
- 成瀬
- 皆さん、飛距離を伸ばすにはパワーが必要と思われがちですが、今はちょっと違うかもしれません。なぜなら昔と今ではクラブの性能はまったく違っていて、今はクラブをきちんと弾くことができれば、球はまっすぐに飛んで行く設計になっているようなんです。ヘッドを走らせてフィニッシュまでいけば、ボールは弾けて飛んでいく。ところが皆さん、昔のクラブのイメージがあるから、ボールに当てにいこうとしてしまうんですね。打ちにいこうとすると必ず体が動きすぎてヘッドが遅れ、ヘッドのパワーがボールに伝わらない。これが、飛距離が伸びない原因なんですよ。
- 金森
- でも振り切るのって難しいですよ。体がうまく回転しない。
- 成瀬
- ヘッドを走らせようと考えるのでなく、クラブをビューンと振ってやるんですよ。素振りを一生懸命やることで、ヘッドをちゃんと動かしてあげる感覚を身につけるといいですよ。
- 庄(雅彦)
- 私も、練習場に打ちっぱなしに行くと、以前はガンガンとボールを打っていました。1時間半で150球くらい。でも最近は1打1打、ゆっくりと打つようになりました。球数よりも時間をかけます。
- 成瀬
- そう、それはいいですね。さぁ、どう打ってやろうかと思うとそこで体に力が入って振るタイミングがズレてしまう。それよりもフィニッシュをきれいにする、打ちに行こうとしない。それがポイントです。
- 金森
- 練習といえば、打ちっぱなしでは球がまっすぐ飛ぶのに、コースに出るとうまく飛ばない。あれはどうしてなんでしょうかね。
- 成瀬
- それはプロでもよくあることなんですよ。コースに出て景色を見るとガラッと変わってしまう。あそこに池がある。バンカーがある。嫌なところが見えて、よけいに緊張してしまう。ゴルフって、メンタルの部分がすごく影響するスポーツですよね。
- 金森
- 緊張しない方法はあるのですか。
- 成瀬
- 自分のルーティンを普段から身につけておくといいですよ。セットに入るときも練習の時と変わらない形で入る、自然体でできるようなルーティンです。それから大事なのが呼吸。人は緊張すると呼吸が止まってしまうので、もし自分が固くなっているように感じたら、大きく呼吸してからセットに入るだけでも全然違います。外国の試合では、よく大きく呼吸してから入る選手がいるでしょう。
- 庄(かなえ)
- ああ、ジェイソン・デイ選手※が、よくやっていますね。
- 成瀬
- よく見てますねぇ。
- 庄(かなえ)
- 大好きなんです! ところで私は、前半も後半もいつも4ホール目か5ホール目で大崩れしてしまうクセがあって、これもメンタルの問題なのでしょうか。
- 成瀬
-
いつもですか? 実際に見ていないので確かではありませんが、それは集中力の問題かもしれませんね。集中力はメンタルって思うかもしれませんが、実は体の疲労にも深く関わっているのです。ちょうどその頃に肉体的な疲労が出てきて、集中力が途切れてしまうことも考えられます。体をできるだけよい状態にキープさせる、ということも大切ですよ。
※ジェイソン・デイ
オーストラリア出身のプロゴルファー。「全米プロゴルフ選手権」で、メジャー初制覇を成し遂げるなど活躍し、世界ランク1位にも輝いた。
オーストラリア出身のプロゴルファー。「全米プロゴルフ選手権」で、メジャー初制覇を成し遂げるなど活躍し、世界ランク1位にも輝いた。
- 庄(雅彦)
- 私たちアマチュアのゴルファーでも普段の生活の中でできる、トレーニングはありますか。
- 成瀬
- 今、プロ選手たちが積極的に取り組んでいるのが体幹を鍛えることです。もちろん一般のゴルファーの方たちにもぜひおすすめしたいですね。体のコアとなる部分の筋肉、腹筋や背筋、またゴルフに大切な腹横筋などを鍛えることで、スイングが安定し、また怪我などもしにくくなります。夜寝る前の数十秒でもいいので、ぜひチャレンジしてみてください。
それから日頃、デスクワークの多い方は、下半身の力をつけましょう。1日8000歩が理想ですが、それが難しくても階段を登る、ひと駅先まで歩くなど、毎日、日常生活の中で意識して歩くことで、体は変わってきますよ。
- 金森
- 私は40歳になって今までの不摂生を反省して健康を意識するようになったのですが、こうした年齢から急に運動をすると故障もでやすいですよね。私は膝を痛めてしまいました。
- 成瀬
- 膝を壊すのは、実は足の甲やふくらはぎが固まってしまって、それが膝やあるいは腰にきてしまうことが多いのです。いかがですか、固まっていませんか? 普段から少し気を配って、足の指先から甲、ふくらはぎをゆっくりともみほぐしていくと楽になりますよ。それから足はできるだけ冷やさないようにしてください。
- 庄(雅彦)
- 私は足がよく冷えてしまうのですが、よくないですかね。
- 成瀬
- 冷えを持っている方は、夜寝るときや、冷房などの効いた場所では、ふくらはぎにサポーターをすることをおすすめしています。足先は汗をかくので、靴下をはくのはおすすめできません。
- 成瀬
- 皆さん、コースに出たら、やはりいいスコアで上がりたいと思われますよね。そのために誰でもできることのひとつが、体を安定したいい状態を保つことなのです。特にゴルフはプレイ時間が長いので、それがとても重要になってきます。
ゴルフのプロ選手たちは、以前から筋肉のコンディションをサポートする必須アミノ酸BCAA※にとても注目をしています。そして今は多くの選手が『アミノバリュー』を愛飲しています。海外では水しか飲まない選手も多く、「これのおかげで助かっている」と話す日本の選手もいるくらいです。私もオフィシャルな立場から選手にすすめています。
- 庄(雅彦)
- ゴルフ場でもよく見かけるようになりましたね。飲むタイミングや量など、ポイントはありますか。
- 成瀬
- プロの場合は、試合当日は2時間前くらいに会場に入りますから、それから試合の始まる30分前くらいまでに1本。サプリメントタイプを携帯してラウンド中に1本、ハーフで1本、さらに後半、終了後にも1本。『アミノバリュー』で、それぞれBCAAを2000mg分ずつくらい摂っていますね。
- 庄(雅彦)
- そんなにですか! 摂り過ぎるということはないのですか?
- 成瀬
- BCAAは筋肉を使うことで減少していきますので、それを補うという考え方です。補充する量はスポーツの強度によっても異なってきますが、基本的には一度に大量に飲むよりも、試合中に分けて飲んだほうがいいようです。
- 庄(かなえ)
- スポーツドリンク系はどうしても糖分が気になってしまうのですが……。
- 成瀬
- 体を動かしているのですから、それほど気にしなくていいでしょう。それよりも、先ほど言ったように、体が疲労するとメンタル面にも影響が出てきます。よりよい体の状態をキープすることを心がけてみてはどうでしょう。
- 金森
- 私は加圧トレーニングのときによく『アミノバリュー』を飲んでいるのですが、これからはゴルフコースに出るときも、忘れずに持っていくようにします!
- 成瀬
- ぜひそうしてください。皆さん、これからもゴルフを楽しんで、目標のスコアを達成してください。本日はありがとうございました。
- ありがとうございました。
※BCAA=Branched Chain Amino Acids(分岐鎖アミノ酸)の略。

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