
エクオールをつくる腸内細菌を探せ!
有効な腸内細菌見つからず!研究中止へ・・・
エクオールをつくれる人が持っている腸内細菌を分析して、エクオールを作る能力があるかどうかを1つずつ調査していく作業が続きます。腸内には無数の細菌がいるといわれています。その特性と役割を1つずつ調べていくのですから地道な作業です。
6年後、研究再開が決定。しかし期限はたった3カ月!
6年後の2002年のこと。“エクオールを外から補える製品”の研究が再開されることが決定しました。ただし4月1日から6月30日までの3カ月と期間が限定され、研究員も3人のみという条件がついていました。「次は必ず」と、このときを待っていた3人はプロジェクト再開の喜びもそこそこに研究に没頭しました。しかし、なかなか有効な細菌を見つけることができません。
「菌が有効かどうかの結果が出るまでに1〜2週間かかります。3人でフル稼働して1000以上のサンプルを次々に分析していきました」(研究員)
寝食を忘れ夢中で世界初に挑戦する試みですが、なかなか成果が出ません。とうとう、6月30日、約束の最終日を迎えてしまいます。もはやこれまで……。
期限の翌朝、1300番目のサンプルに奇跡が!
3カ月間の努力もむなしく実験を終了した翌日、7月1日の朝のことです。分析途中のサンプルの中に食品として利用可能な菌(乳酸菌)が発見されました。さんざん失敗を繰り返したため最初は信じることができませんでした。

研究開始から1300番目のサンプル。これが、世界ではじめて発見された、食品にも利用可能なエクオールをつくる乳酸菌「ラクトコッカス20-92」です。
6年間の努力が報われた奇跡の瞬間でした。
